肉筆浮世絵とは何であるかー簡単なことであった、「絵画、painting」のことであり「版画」である普通の浮世絵とは区別されるのだとカタログを見て納得した。
「絵画」と「版画」の違いだから外国でやる浮世絵展覧会では「肉筆浮世絵」とは何かという質問は決して出ないという。
さて浮世絵の国日本に魅せられた外国人は多い。
今回はビゲロー1850-1926のコレクションが日本に里帰りした。
ボストン美術館所蔵肉筆浮世絵の展覧会「江戸の誘惑」を江戸東京博物館にアスパラクラブの招待で観に行く。
肉筆浮世絵は「絵画」で特別注文だから世界に一品しかない、これをまとまって見られる機会はほとんどないといってよい。
まず会場を入ると北斎の幟がお出迎え、北斎がこんなの書いていたこと知らなかった。
北斎といえば「唐獅子図」などという見事な色彩のもある。ボタンの花は弟子が描いたそうだ、画狂老人卍と名乗っていた時代だ。
同じく北斎の提灯も展示される、竜と虎、竜と蛇で中国の世界原理に沿ったものだという。
さて、「江戸の誘惑」つまりは女である、当時の遊女や芸者はタレントでファッションモデルであった!男は引きずり込まれたのだ。
「向島行楽図」がある、当時のウォーターフロントだ、江戸っ子の遊楽地でもある。
そこを遠近法を持って描いたのが歌川豊春だ。
しかし最大の行楽地は大きな「芝居町、遊里図屏風」に描かれた「江戸の二大悪所」、吉原と中村座ではある。展示には中村座興行の絵看板も二点展示される。
会場には「石橋」-しゃっきょうーに関する展示も多い。
15世紀の能で江戸時代にはやったという。
展示は全部で68点と多くはないが、一つ一つに引き込まれることうけあいだ。
普通にチケットを求めれば千三百円取られるがその価値は十分にある。