だらだら日記goo編

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モノとしての美術作品

2005-05-22 23:06:05 | アート・文化
今日は町田市国際版画美術館へ「マルチプル・ショー」の展覧会へ。
同じものが複数つくられた作品を集めた展示、版画なら複製品は当たり前だがなぜか現代の立体作品の展覧会。
ご存知デュシャンのひげのついたモナリザから始まって、マン・レイの彫刻、クリスト、ウォーホルなどいろいろ並ぶ。
展示図録とは別に作品解説が配られるので、現代美術といってもその意図がよくわかるのがいい。
面白いのはウィリアム・コプリー編集の「S.M.S」という作品集。「Shitはとめなければならない」という意味だそうでShitとは人前では慎むべき言葉とか。
しかしながらおよそ70名もの作家がかかわった作品集で、日本では河原温「100年カレンダー」とか、オノ・ヨーコ「ジョンのための修復作品」などが展示されている。いわゆるフルクサス運動ともかかわるものか。
ヴァザルリの「J.S.バッハ」も面白い。バッハのヴァイオリン曲が実際に流れる中、そのレコードジャケットやら曲をイメージした版画が並ぶ。解説集にはそれぞれの作品が何部製作されたかが示されている。
唯一性の芸術から大量生産の芸術へ時代の流れを感じる展覧会だ。
その意味でよく判らないのはクリストの「包まれたニューヨークタイムズ」だ。
クリストとその妻は同じ年同じ日に生まれている。で、二人合わせて百歳の誕生日を記念して新聞を梱包したのだが、そういう記念作品に複製品をつくったのだろうか?これは一回限りの作品なのではないかと思う。
ともあれ現代美術というものがモノの複製と特徴付けられることが良くわかる展示だ。
お客さんも少ない。ゴッホの招待券は無駄になったがこういう展覧会もまたいい。
しかしながら久しぶりに町田市街を歩いたがずいぶん変わったものだ。
リトル渋谷とでも言おうか、ゲームの店、漫画喫茶の店などがやたら目に付く。
町田は犯罪都市としても有名だ、新興住宅街が並び若者も多く、いろいろ犯罪が多発していると聞く。
そんな中での現代美術の展覧会、なかなか面白いものがあった。