だらだら日記goo編

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やはり出光はすごい

2007-05-31 21:50:35 | アート・文化

いやいややはり出光のコレクションはすごい。

今回は浮世絵だが持っている作品がみな肉筆浮世絵ときた!

解説にいわく、浮世絵イコール版画という理解が絵師を幕末の絵師に限定させ、2Cに及ぶ豊富な歴史を眺めることができなくなっているとー。

今回の出光の企画は「肉筆浮世絵のすべて」、浮世絵の元祖菱方派から北斎まで、○○派というくくりでそれぞれの特徴をいささか教科書的理解ながら展覧する。

たとえば浮世絵の主題は遊女と役者だが、鳥居派は役者絵に優れていたといった具合だ。

カタログによれば出光コレクションの特徴は懐月堂派の作品が多いことだという。

懐月堂安度が流罪になってから追随者がその描くものをまねたがそれらを見比べる楽しみもここにはある。

北斎は初公開作品が二点出ている、しかし「亀と蟹図」など劣化がひどいのが惜しい。

「藤娘と念仏鬼」という作品があるがこれまたカタログによると大津絵に頻出する主題だという。

肉筆を専門とし、狩野派に学んだ川又派などはじめてきく。

こうして太田記念などで苦手意識を植え付けられた浮世絵にも徐々に理解する自分が居る。

また会場ではさりげなく重要文化財の野々村仁清のつぼだとか、古伊万里の西洋人物形酒器なども展示されるのがいい。

「ぐるっとパス」で入ったが出光のすごさを感じるとともに浮世絵にもう少し向かい合いたくなるいい展覧会だ。


現代日本画家の挑戦

2007-05-28 22:06:40 | アート・文化

「山愚痴屋澱エンナーレ」とは何のことか。

こんな言葉を使うから現代美術がわけがわからなくなるのだ!

しかし、薄べったいカタログで作者自身が述べているように「トリエンナーレのもじり」で「憧憬と嫌悪のない交ぜになった、アンビバレントな心持を表している」そうだ。

作者は山口晃、この人と会田誠という若い作家の二人展が上野の森美術館で開かれている、題して「アートで候。」

入館料千円も取るのでがらがらだが僕はまた招待チケットで行ってみる。

作品を観てカタログを読んだ感じでは、この二人は伝統的な日本画に新たな生命を吹き込もうとしているかのようだ。

たとえば会田は作品解説できちんと理由があって、細江英公が土方を撮った鎌鼬の有名な写真から構図を拝借したと述べているし、別の作品では狩野永徳LOVE!という気持ちで作ったとのべている。

山口は三越で展覧会を開いたそうで三越周辺やら東京名所を俯瞰する作品を多くものしているが古地図を見て、おそらく江戸時代の鳥瞰図に似せて作ったのだろう。

日本橋三越の周辺を俯瞰する作品を眺めると、それこそ江戸時代の街並みが遠くに描かれていたり、三越の中には武士の格好をしたものまでいる!

現代美術と敬遠せずに素直に楽しめるいい展覧会だ。

まだ若い二人がこれからどういう方向に進むかにも関心がある。


「緑は希望」

2007-05-24 21:40:14 | アート・文化

結局迷った末に今年も「ぐるっとパス」を購入した。

招待券の入らない三鷹市美術ギャラリー、出光美術館、ブリヂストン美術館、府中市美術館を回れば元は取れる。

でもらったが、昨年までと比べてずいぶんと薄くコンパクトになったものだ!

購入したのは三鷹の美術ギャラリー、ユトリロの展覧会をやっている。

ユトリロについてはかなり知っているつもりだった、アルコール中毒脱却のために絵画を始めたこと、ほとんどは絵葉書を見ながら自室で描いたことー白の時代、色彩の時代ー。

その色彩の時代の30代の後半に「緑は希望」という言葉が残されている。

今回展示されていた作品は色彩の時代の作品が多く、中には暗い色調の作品もあるが、線描ははっきりしており、風景はすっきりとしており、青い空が印象的な作品が多いことにも気づく。

そのよい例が展示31「ムーランの大聖堂」で鋭角的とも言える構図だ。

花を描いた作品にもはっとするものがあった。

こうなるといわゆる「白の時代」とはいったいなんであったのかよくわからなくなってくる。

ユトリロー不可思議な謎だ。人間存在の不可思議を思う。


B級ニュース?

2007-05-20 21:51:15 | アート・文化

世間一般では美術のニュースなどどうでもいい話だ、だから「週刊新潮」も「B級重大ニュース」というところに「絵が買えない美術館」と題してニュースをあげている。

埼玉県立近代美術館のニュースだ、その運営母体がピンチという。

財政難から県が補助を打ち切ったため昨年250万円の絵を購入したら残金が40万円になってしまったという話題だ!

まあどこの美術館も苦しんでいるのは事実で埼玉だけとはいえないだろう。

しかし埼玉は企画展示を観ても常設展示を観るのに100円取られる。

そんな事情もあったのかと驚くばかりだ。

それにしても最近ちょっとした展覧会でも平気で千円取る美術館が多い。

今日行った五島美術館もそうでー当たり前ですが僕は招待券ー「副島種臣ー全心の書」というのをやっているのだがどう見ても展示数が乏しい。

出品リストに70件あまり載っているが、前期後期と分かれるので一度の展示は40点くらいだ、これで千円とはちょっとひどい。

カタログも佐賀県立美術館のをそのまま売っている、そこには130件あまり載っている。

まあ哲学者安部能成もほめたそうで面白いことは面白い独創的で現代を先取りしたような書だが、美術館の態度はほめられたものではない。


先着順じゃないの?

2007-05-19 21:59:31 | アート・文化

美術出版社から出ている「美術手帖」という雑誌がある。

先月初めて購入して読者プレゼントは「先着順」で「商品がなくなり次第終了」というのであわててはがきを投函した。

今日そのプレゼントが届いて「厳選なる抽選の結果」あなた様にプレゼントがあたたったときた。

こちらは先着順と心得ているからとっくにそのプレゼントのことはあきらめていた、狐につままれた気持ちだ、ちなみにプレゼントは下にも書いた「アートで候」、上野の森美術館だ。

大体雑誌のプレゼントは一回目の応募はたいてい当たる、読者をつなぎとめようという戦略だ。

上野つながりで今日ダヴィンチ展に行ってきた、当然招待券。

「受胎告知」を見るのに20分待ちと列ができているので、平成館の展示を先に観る。

森アーツギャラリーのレスター手稿、明治大学博物館の「もうひとつのダヴィンチ」で昨年ダヴィンチはかなり勉強したはずだが、「スフォルツ騎馬像」とか、消失した絵画「アンギアーリの戦い」とかまだまだ僕の知らない世界が多いと感じた。

平成館を出て「受胎告知」の部屋に向かうと運よろしく列はなくなっていた!

いきているうちに二度と目にすることのできないかもしれない絵画をしっかり目に焼き付けてきた。