だらだら日記goo編

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世界に誇る日本文学

2008-09-02 23:41:43 | アート・文化

原稿用紙にして四百字詰めで2300枚、登場人物は430人、日本文学の最高峰といわねばなるまい、言わずと知れた源氏物語だ。

今年は源氏物語が書かれて千年という、京都を中心にいろいろな催しをやっているようだ。

しかし作者の紫式部が1008年にこの物語を書きましたと断言しているわけではない、「紫式部日記」の中に1008年には、源氏物語が宮中で読まれていたことを確認できる記事があるにすぎない。

ということで今年が千年紀というのは本当かどうかわからないが、関東でも横浜美術館で「源氏物語の1000年」という展覧会をやっている、顧問は瀬戸内寂聴だ、とりあえず観にいく。

当時蔵王権現の霊地といわれた金峯山出土品や賀茂神社古神宝なども展示されるがそれらはごく一部、展示の大半は源氏絵だ。

源氏絵は室町期には土佐派を中心に展開される、特に扇面源氏絵が流行したようだ。

しかし江戸期になると多彩な展開をとげる。

神奈川の九曜文庫には江戸時代の源氏の研究史享受史が蓄積されるが、それもまとまって展示される、たとえば本居宣長の「源氏物語玉の小櫛」などは僕たちの知る一例だ。

源氏絵では岩佐又兵衛にひかれる、「須磨」と「浮舟」、福井からの出品だ。

月岡芳年の「田舎源氏」は風紀を乱すと政府により発禁処分になったとか。

川又常正の「見立紫式部図」は紫式部を当代風俗の遊女に見立てると面白い。

明治期大正期に入ってからの源氏絵もいろいろあるが、圧巻なのは上村松園の「焰」の大下絵だろう、六条御息所の生霊を描くがまさに圧巻だ。

展示はこの美術館の常設展示の一部も使って行われる。

源氏物語の海外への紹介は1882末松謙澄のロンドンでの英訳をはじめとするが、その英訳、アラビア語訳、中国語訳、フランス語訳で、源氏物語の冒頭を聞かせるという試みもある、今年中にチェコ語、トルコ語にも訳されるそうだ。

最後はこの展覧会顧問の瀬戸内さんの直筆原稿とその現代語訳の挿画として描かれた石踊達哉の琳派的な現代の源氏絵で締めくくる、会場を出るころにはおなかいっぱいというくらい源氏を堪能した。


3 コメント

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幅広~い。 ()
2008-09-04 18:31:12
幅広~い。
okiさん、幅が広い方ですね。行動範囲も広いですっ 
考えてみると これ、今、横浜なのですね?(父にチケット買って送ろうかな・・?)
京都のように、平日もとても混んだのでしょうか?

ちょうど同日、横浜の従姉が源氏を見に行っていたようで・・ 
(彼女は医療系で、心豊かな人です。こんな看護師や医師、技師、保健師が増えてくれますように☆)

そして横須賀。それからフェルメール。
課題の多い9月です★★ 
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こんばんは。 (あべまつ)
2008-09-04 21:22:38
こんばんは。
チケット届きました!ありがとうございます。
憧れの白洲夫妻、楽しませて頂きます。

この、源氏物語のために、古典復活で頑張っていますが、
奥の深い文学。なかなか進みません。
大学時代気の入らなかったことが懐かしいような
恥ずかしいような。
海外で、どのくらい日本の雅ないとおかしが伝わるでしょうね。
源氏を内外で伝える人がもっと増えるといいな、
とも思います。
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鮎さん、あべまつさんこんばんは。 (oki)
2008-09-04 22:17:03
鮎さん、あべまつさんこんばんは。
鮎さん、携帯投稿ではないですから世田谷の自宅ですよ/笑。
まあガラガラでしたね、始まったばかりですし。
横須賀いつ行くか悩んでいるんですよねー。

あべまつさん、源氏に必死に取り組んでおられるようですが、カタログには源氏のあらすじダイジェストもあり。
そうですね、ドナルド・キーンさんのような日本文化に関心を持たれる方が増えるといいですよね。
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