川村清雄を知っていますか

予定通り目黒区美術館の講演会に行く。
川村清雄は江戸時代のうまれの画家。
これまで公開されていない作品が展示されるということで、当然保存上の問題があった。
のりがはげたり、虫が食ったり、カビがはえたりー。
そういう作品をどう人様の前に出すのかという修復の問題ーそれが講演会の内容だ。
地味ではあるが文化財保護という大切な問題である。
残念ながら講師が淡々としゃべるので寝たり、退席する人もいるが美術好きにはたまらない。
さて展示は目黒区美術館に寄贈された作品と、江戸東京博物館所蔵の作品などから。
江戸時代の大胆さと明治大正の繊細さを併せ持つ画家だ。
水墨に通ずるような世界があるかと思えば、美人画などはえもいわれぬ妖艶さがある。
ヨーロッパに留学していたこととも関係あるのだろう、前近代と近代二つの時代が混ざっている。
こういう画家の作品が、修復師の地道な活動を経て現代によみがえったことを寿ぎたい。
もっともっと知られて良い画家である。