「わたくしといふ現象は
仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明です」
言うまでもなく宮沢賢治の人口に膾炙した詩の一節だ。
僕たちは「青い」という言葉に注目しよう、賢治は自らを「青い」といっているのだ。
今でこそ誰もが知っている賢治だが生前刊行されたのは「春と修羅」と「注文の多い料理店」にすぎなかったという。
しかも前者は自費出版で後者は自ら父から借金して二百部買い上げると、出版当初はほとんど注目されなかったらしい。
全国を巡回して今日本橋三越に「絵で読む宮沢賢治展」、東京新聞主催というのがきている。
しかしこの展覧会標題には語弊がある。
展覧会は二部構成で第一部は膨大な資料から宮沢賢治の生涯を読み解くというもの、第二部は賢治の童話に触発された人たちの絵本の原画を展示したコーナーだ。
第一部でも僕たちは知らない賢治にたくさん出会える。
有名な「雨ニモマケズ」の詩は手帖に書かれ死後トランクから発見されたこと、そこには1931.11.3という日付が載っていることー。
また賢治は大変なレコード収集家で畑を歩く有名な写真はベートーヴェンを意識していたこと、浮世絵の収集家でもあり、自ら水彩画も描いていたこと、しかし水彩画はあまりにグロテスクー地面から手が五本生えてくるという作品まである!-で意外な賢治を知ることもできる。
さて第二部、いろいろな童話にいろいろな人が挿絵をつけている、さらっと観ることもできるし、冒頭の賢治の「青」を意識しつつ、いろいろな表現を比べるのも一興だ。
カタログにはそれぞれの作家の賢治への思いがつづられていて、たとえばいわさきちひろは「はじめのうちは彼の作品が素晴らしすぎて手も足も出せないと思っていた」と語るが大方の作家にとってそうではないか。
しかし、と思う。本当の幸せを願った賢治、それはどこにあるのかと?
「イーハトーヴ」という地名が「著者の心象中」に「実在した」ものにすぎないように、法華経信仰を抜きにすれば本当の幸せもまたユートピア、つまりは「どこにもない場所」ではないかという疑念が僕にはぬぐえないのだ。
カタログはよく売れているようで見本がソファに置いてあるのに売ってないので係員に訊いたら「補充しています」とのこと、賢治人気の高さをうかがわせた。
このあと大丸神戸、川越市立美術館と巡回して全国展はやっと終わります。
詳細まで正直な実感を知らせてもらえるって 他にないありがたさ。okiさんゆえの癖も愛くるしい(?!)
・・夏はちょっと身動きできない人にとって、
このブログは そういうとき とてもありがたいと思います。
それは 何ですか?
(ごめんね。
ドイツ語辞書、悲しいから もう 買っちゃおうかしら~?)
なんなら展覧会チケットもう一枚あるのでお送り差し上げられますがー。
Gott ist totは有名なニーチェの神は死んだ」の文句です。
哲学者カントの道徳法則と定言命法の思想も神の存在と来世を前提にして初めて成り立ちます、「本当の幸福」というのは宗教抜きではなかなか難しいと思いますね
(※余談:この時期のニーチェ、自分の不治の病と 死期が近いことを悟って、苛立っていたみたいですね? 最晩年 カラッと主張を変えて結構安らかに逝った…、と 聞いてます。あれれ?!変えたの?!って拍子抜けしちゃいますよね~!)
賢治、ビジタリアン大祭は 繰返し繰返し読みました。この人の作品、無限に多く感じますよね。
賢治ファンも∞なのかしら。
okiさん、ときに私、ここに越して4ヶ月(笑) …川越は1度、蔵の街をサッと通過したのみ…。
さいたまはまだ、どこも知らないんです~。世田美の方が心の故郷(…言い過ぎ!!なんとずうずうしい。。)
いいな、okiさん世田美近くて。世田美友の会、入ろうかと本気で悩んだことあります。圧倒的にシニア多数、& 知的シニア。…む…。
入る事に決めて、引越しのバタバタで期限過ぎちゃったんです。★ああっっっ☆
世田谷美術館は友の会の活動確かに活発ですね。
ちなみにニーチェは発狂してしにました。
僕が大学に入ったのはベルリンの壁崩壊以前だからドイツ語は人気なかった。ドイツ語選択者百名に対しフランス語選択者二百名で、ドイツ語のクラス三つ、フランス語のクラス四つで下から、クラス人数比較しても当たる確率が高いわけでー。
タイムリーな記事を見て びっくりして書いています。
8月16日(土曜),
日経朝刊 文化欄(最後のページ)、
ニーチェvsパウロの記事。
“弱さに宿る力”としてが思想の概略載っています!
okiさんたら、何てタイムリーなの。
キリスト教をダメにしたのはパウロだと。
今日は川崎市岡本太郎美術館行ったけど疲れて記事が書けない、明日再トライしましょう。