いやいや流石松坂屋だ、すごいものをお持ちだ。
はじめは女性の昔の服がただ展示してあるのかと行く気持ちもあまりなかった、チケットがあるから行ってみただけというのが正解だ、しかしその豪華絢爛たる世界は!
ただし場所は松坂屋ではない、サントリー美術館は「小袖」の展覧会だ。
まず小袖とはなんぞやということになるがカタログによると平安時代の上層階級の人々が下着として着用していたものが室町以後刺繍などによって美しく飾られ表着となったという。
で、何が描かれているかというと日本的な花鳥風月の世界であったり、「源氏物語」「伊勢物語」といった伝統的物語であったりする。
中には散らされた文字が描かれてあり、そこから何が読み取れるかという判じ物めいたものもある。
展示品は展示変えがあるが、僕のみるところ一番輝いていたのは「鶴小花模様腰巻」で、鶴が金で、その羽根を広げた姿は圧巻といえる。腰巻と小袖の関係はカタログ126ページ参照あれ。
洋画家岡田三郎助の作品もあった、岡田は絵の題材に古い時代の染織品を集め、特に古代裂のコレクターだったという。
岡田の「支那絹の前」と「婦人像」は全期を通して展示され、そこに描かれている小袖も合わせて展示されている。
展示の最後は松坂屋京都染織参考館がコレクションとして持っているものが展示されているが、「道成寺」の女がつけるお面とか、能装束の中でも最も豪華といわれた「唐織」とか、17-8Cにインドで作られた小袖とか、これに東京会場では展示されないが「源氏物語図屏風」とか「誰が袖図屏風」とか一級品をもっていることがわかる。
カタログの作りもよろしくてうまく自然風景の写真と組み合わせてみたり、「ひいなかた」と本物を組み合わせてみたりいつまで観てても飽きない。
さてさて今のへそ出しルックのお嬢様にこういう日本古来のDNAは伝わっているだろうかー美しいものをまといたいのは皆同じだから僕は然りと答えたい。
資料価値もさりながら その見せ方に興味が湧きます。
サントリーは ピカソ展ももうすぐ。プロデュース面にも期待大ですね。(…どの社が広報担当?)
岡田三郎助、
《北村》(日本でたぶん最古から2番目の裸婦モデルエージェンシー、現存)の
おばあちゃま(=創始者、昭和初期のモデルさん)も描いた方です。
絢爛の大正モダン、眩しい…!
日本のデザイン/美術、
この頃 一つのピークを迎え。
これからどこへ向かうのでしょうか?
年配の女性が多かったですが鮎さんチケット一枚ありますよ、よろしかったらぜひぜひ。
岡田三郎助の「北村」って知りません、よかったら教えてください。
「小袖」展、私も観るのが楽しみです。昔の女性たちの美意識だけでなく、江戸時代の職人さんたちの素晴らしい手仕事にも期待できそうですね♪
で、会場は年配の女性が多かったですかぁ。まさしく私向けですね(笑)
まさに絹の海に溺れましたよ。
普段は格子窓からのぞくだけの京の町家に、こんな凄いコレクションがあるとは、思いませんでした。
なにしろ配送センターも兼ねてるのですから。
いいものを見ました。
講演会とかあれこれお忙しいようですね。
なるほど江戸時代の職人の技ですか、それもいいですね。
会場はおばさんだらけですが、Juneさんのように洗練された人にはあまり出会わなかったなー。
遊行さん今晩は。
京都の松坂屋は昭和三十年までは蔵造りだったそうですね。
岡田の絵は遊行さんもブログで挙げられていますが、高島屋史料館とかから持ってきたのですね、とてもよかったです。
すみません 情報が遅くなりました。
“(株)北村”は 絵のタイトルではなく 現存するモデル事務所名です。
岡田三郎助のモデルだった北村久さんが1963年に起こされました。
赤羽の 普通のお家の上品な奥様が、現オーナーです。
故・北村久さんのお嫁さんにあたる方で 、大変だった大火事以降、一家の大黒柱となられています。