OK元学芸員のこだわりデータファイル

最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

私の旅行データ 19 空白域 R

2023年09月09日 | 旅行

 梼原の続き。東側は土讃線(少しずつ乗車区間を伸ばして、1975年6月に全部乗った。南側は予土線(1975年6月)を通過した。このルートは、南海トラフの地質を調査する調査船「白嶺丸」に乗船した時、中間の休養寄港として高知で2日間の自由時間があったので乗りに行った。

20km−53 調査船の作業風景 1975.6

 フィルムの順序を見ると、足摺岬から南西側の海岸をたどるバスに乗車、宇和島で一泊した後予土線を使って高知に戻ったようだ。予讃線の通過は四国で最も遅くなったところで、予讃線と内子戦(2004年4月)を通過。

梼原のデータ 10km以上の未接近地 [愛媛県]  3市3町 [高知県] 5町 。(これらのうち津野町・梼原町は未訪問)
面積は10km以上 約937平方km 
20km以上 [愛媛県] 西予市 [高知県] 梼原町。約21平方km

 九州に入る

20km−54 野間岬
凡例:緑:10km 黄色:20km 青線 私の旅行経路。
地名 大文字:町・集落 Ka鹿児島 Nm野母岬 Ma枕崎
小文字:行政区 [鹿児島県]  hi日置市 ms南さつま市

 鹿児島県の二つの半島は、どちらも20km以上の空白地がある。西側の薩摩半島の鹿児島湾側には指宿枕崎線があり、観光地も多いから何度か通ったが、西側の野間岬には行ったことがない。20km以上のところは全て南さつま市に属する。一番近づいたのは指宿枕崎線の終点枕崎で、1971年3月。2006年6月に家族旅行で知覧などを訪れてやや内陸に入った。南さつま市は数少ない未訪問の市のひとつ。そこへの訪問はそれほど難しくない。

野間岬のデータ 10km以上の未接近地 [鹿児島県]  2市。(これらのうち南さつま市は未訪問)
面積は10km以上 約224平方km 
20km以上 [鹿児島県] 南さつま市。約11平方km


20km−55 大隅半島
凡例:緑:10km 黄色:20km 青線 私の旅行経路。
地名 大文字:町・集落 Ka鹿屋 Ib指宿 Ya山川 Ne根占 Sa佐多岬
小文字:行政区 [鹿児島県]  ka鹿屋市 ki肝付町 kn錦江町 mo南大隅町

 大隅半島には、1987年3月に廃止された大隈線を回ったことしかない。半島を横切るところは、1981年10月に乗車した。半島の先端部は、鹿児島湾を隔てた指宿枕崎線の方が近いところもある。指宿枕崎線から20kmの線は外側の海岸近くにあるので、20km以上の範囲は、上の地図に示したAからDの4か所に細分される。Bは広いが、AとCは狭い。Dには先端の佐多岬が含まれる。
 先端付近に行くには、指宿の近くの山川港から南大隅町根占へのフェリーに乗船して、そこから定期バスを利用することになる。フェリーかで根占に着けば、この未接近地の半分近くをクリアできそう。しかし、半島の外側の空白地を埋めるには多くのバス便を利用することになり、容易ではない。

大隅半島のデータ 10km以上の未接近地 [鹿児島県]  1市3町。(これらのうち南大隅町は未訪問)
面積は10km以上 約553平方km 
20km以上 [鹿児島県]  肝付町・錦江町・南大隅町。約105平方km


20km−56 尾鈴山
凡例:緑:10km 黄色:20km 青線 私の旅行経路。
地名 大文字:町・集落 Ut宇土 Ta高千穂 No延岡 Ya八代 Hy日向 Hi人吉 Ko小林 Mi宮崎
小文字:行政区 [熊本県] ym山都町 ya八代市 it五木村mk水上村 ta多良木町 sa相良村 asあさぎり町 ni錦町  [宮崎県]  sb椎葉村mo諸塚村 ms美郷町 hy日向市 tn都農町 kj木城町 sa西都市 nm西米良村 kt国富町 ay綾町 ko小林市ebえびの市 mi宮崎市 mj都城市

 説明は次回。

古い本 その149 古典的論文 モササウルス類 9

2023年09月05日 | 化石

 次の属も同じ地域からの報告。属名はOpetiosaurusという。
⚪︎ Kornhuber, Georg Andreas, 1901. Opetiosaurus Bucchichi, eine neue fossile Eidechse aus der unteren Kreide von Lesina in Dalmatien. Abhandlungen der kaiserlich-königlichen geologischen Reichsanstalt. Band 17, Heft 5: 1–24, Tafeln 1-3.(Opetiosaurus Bucchichi、DalmatiaのLesinaの白亜系下部からの新種化石有隣類)
 著者のGeorg Andreas von Kornhuber (1824-1905)は、オーストリアの古生物学者。この字体の小文字で書くと3文字目をmと読み間違うことがあるが、KORN-である。Dalmatiaはクロアチアのアドリア海沿岸部の地方名。
 17ページにわたって詳しい記載がされている。その後分類上の位置について先行した研究について検討して、新属・新種を設定している。3枚の図版を伴っていて、一枚目(Tafel 1)は標本の写真、Tafel 2は線画、Tafel 3はスケッチである。

553  Kornhuber, 1901. Tafel 1. Opetiosaurus Bucchichi holotype 写真

 ディジタル化がうまくいっていないので、わかりにくいが、もっと不鮮明なTafel 2を見ると、何がどうなっているかが分かる。

554  Kornhuber, 1901. Tafel 2. Opetiosaurus Bucchichi holotype 線画

 右上の石版(全形がわからないが)の横径が42cm、縦が33cmというから、ずいぶん小さな個体である。

555  Kornhuber, 1901. Tafel 3. Opetiosaurus Bucchichi holotype 頭骨他のスケッチ

 石版の厚さが8mmから10mmというからずいぶん薄い。よく割れずに運んでこられたものだ。産出地は「1.5 km northwest of Mte. Hum near Verbosca.」というから、東西に長いHvar島(イタリア名Lesina島)の中央部北岸の町Verboscaの付近であろう。Humという山は他の場所にあるが、この辺りには見つからなかった。なお、種名のBucchichは現地で発掘の世話をしたMr. Gregor Bucchichiを記念したものという。
Opetiosaurus Kornhuber, 1901.  模式種:Opetiosaurus bucchichi Kornhuber, 1901.
産出地:Hvar島(= Lesina島)クロアチア Cenomanian

 モササウルス類最後の属はすでに登場したGlobidensである。
⚪︎ Gilmore, Charles Whitney, 1912. A new mosasauroid reptile from the Cretaceous of Alabama. Proceedings of the United States National Museum. Vol. 41: 479-484, plates 39-40.(Alabama州の白亜系からの新種モササウルス類爬虫類)
 標本は歯列を伴う左上顎の一部で、特徴的な丸い歯冠がよく分かる。

556 Gilmore, 1912. Pl. 39. Globidens alabamaensis holotype 左上顎側面 長さ約25cm

 この形は、貝類などをクラッシュするためのもの。上顎骨に歯槽があってその中に歯根が入っているようだ。その様子はもう一枚の図版でよく分かる。

557 Gilmore, 1912. Pl. 40. Globidens alabamaensis holotype 左上顎口蓋側

 生えかわりの様子もわかって興味深い。化石ショーでよく売られている標本は歯冠だけしかないから、こういうことはわからない。前に記したモロッコの標本の写真が次のもの。

558 Arambourg, 1952. Pl. 40. Globidens aegyptiacus, 歯

 まとめておこう。
Globidens Gilmore, 1912. 模式種: Globidens alabamaensis Gilmore, 1912.
産出地:Bogue Chitto Prairies Alabama州 アメリカ

 モササウルス類の属の調査が終わった。ここまでで恐竜・中生代鳥類・翼竜・魚竜・長頚竜・モササウルスの主な中生代爬虫類(+鳥類)の1923年前に記載された属の命名史が分かったことになる。扱わなかったのは、ワニ類・亀類の新生代以降と属を共有するグループ、それにあまり縁のない幾つかのグループである。これらを調べなかったのは、現生の属まで話を広げると多くの面倒なことが出てくるから。

2023年8月のアクセス数

2023年09月01日 | 今日このごろ
Access analysis of this blog: August 2023

8月の当ブログの状況をご報告する。

P:投稿数8。定期投稿(4日に一度)8回を行った。
 現在「OK元学芸員」で検索すると最初に正しい当ブログの項目が出てくる。「当ブログの内容を参考に記述しているブログはいくつかあるようだ。
 当ブログのアクセス数の統計記録をとっている。記録項目は、閲覧回数 訪問人数 同一プロバイダー中の訪問人数順位 同一プロバイダーにあるブログの総数 の各数字で、土曜日毎に一週間の集計もされている。なお「PV:閲覧回数」はその日のアクセス総数、IV:訪問人数は同一の方の重複を除いた数字。
PV:閲覧回数 243.3  (265.2)
IV:訪問人数 151.4 (147.1)
R:同一プロバイダー中の訪問人数順位 6,909 (7,370)
以上は平均値
TB:そのブログ総数(平均ではなく月末) 3,168,453 (3,165,948)
R/TB:訪問人数の順位比率平均値 0.218% (0.233%)
カッコ内の数字は前々月(2023年7月)の成績。

グラフ:先月のアクセス数。青:閲覧回数 赤:訪問人数
傾向線を記入した。

 8月の成績は前月とあまり変わらない。初日、閲覧回数・訪問人数ともに好成績だったので、傾向線が右下がりに見える。それ以外は大幅な落ち込みの日も少なく、逆に突然の好成績もない。

D:開設後の日数 4,941日 (4,910日)
TP:投稿総数 1,635回 (1,627回)
TPV:総閲覧回数 1,545,877 (1,538,336)
TIP:延べ訪問人数 615,298 (610,606)
投稿総文字数概算 1,853,416字 (1,840,778字)
投稿総写真数概数 6,641枚 (6,601枚)
カッコ内の数字は2023年7月末の成績。
 掲載している「古い本」シリーズは、まだまだ「在庫」がある。私の旅行データについてのシリーズ(ジャンルは「旅行」と「鉄道」)も続く。「在庫」は、来年4月末まである。やや「ネタ切れ」の気配もある。
 皆さんがバックナンバーをずいぶん見ていただいているのが励みになる。実際に、アクセス記録を見ると、掲載直後に新しい記事のアクセスがあるが、それ以外のアクセスは非常に古い所に散らばっている。皆さんのコメントがないのは残念。見ていただいていることを実感したいので、よろしく。ご本名でなく私に分る程度の「ペンネーム」で記入戴くとありがたい。

2023年8月の記録:

キノコ

桜の老木に出たキノコ 2023.8.02 志井川沿い

 いつもの散歩道で、小さなサルノコシカケ状のキノコがたくさん出ているのをちょっと前から気付いていた。この川沿いは、いつもの散歩道であるが、3月の桜が美しいものの、老木が多い。たぶん幹は中空だろうな、と思うような巨木が何本もある。この樹のとなりにも大きな硬いキノコが出ている。

警告ポスター 2023.8.8 同

 一週間後に通ったら、「近日中に切り倒す」という掲示が結びつけてあった。すぐ横が道路だからそちら側は簡単であろうが、反対側は遊歩道を挟んで川だから、ちょっと面倒だろう。8月末現在まだ伐採作業は行われていない。3本の樹に警告が貼ってある。

ナガサキアゲハ 2023.5.10 志井川沿い

 近くを台風が通過した翌日、道にナガサキアゲハが吹き落とされていた。翅がいたんでいて、特に左前翅は折れ曲がっているし、後翅が前翅よりも背側に重なっていて飛べそうにない。

ナガサキアゲハ 2023.5.10 志井川沿い

 捕まえて翅のねじれを直したら、少し飛べるようになった。


ムラサキシジミ 2023.8.18 知多市日長

 とまったので撮影しようとしたが、なかなか翅を広げてくれない。表側の紫色が見えないとおもしろくない。やっと撮った写真。

ゴイシシジミ

ゴイシシジミ 2023.8.08 志井川沿い

 小さなシジミチョウで、表は地味な色だが裏の斑点が明瞭。足が白いのが目立つ。