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最近の旅行記録とともに、以前訪れた場所の写真などを紹介し、見つけた面白いもの・鉄道・化石などについて記します。

2002年アメリカ その14 海生脊椎動物化石

2019年10月13日 | 昔の旅行
2002年アメリカ その14 海生脊椎動物化石
2002 USA trip: Part 14. Fossils of marine vertebrates

The Oligocene cetacean around Seattle is interesting because they include toothed mysticetes, as Kyushu and New Zealand. I got permission to take pictures of them.

 2002年3月14日(木)バーク博物館の標本庫で調査を始めた。一番興味のある海生哺乳類では鯨類がほとんどで、期待していたデスモスチルス類はレプリカしかなくがっかりする。デスモスチルスそのものの本場はオレゴン州やカリフォルニア州だとしてもコルンワリウスやパレオパラドキシアの本場はバンクーバー島やその周りの海底のはずなので少しはあると思ったのだが、ここに研究者がいないせいかまったく見当たらない。
 ブルースが「レンスバーガー博士Dr. Rensbergerが来たので紹介する。」と言う。瑞浪のイルカ類の論文を書いたとき(この20年以上前だ)に引用したことのある名前で覚えている人である。会ってお話しすると、当時はイルカの論文も書いたがその後はいろいろな古生物などの研究をして、脊椎動物からは離れているとのこと。私が引用したことを話して「お会いできて光栄である。」というと喜んでくれる。
 鯨類は型を作るのにはちょっと大きすぎるので、ていねいに写真を撮る。「歯のあるヒゲ鯨」のエティオケタスで、1991年にカリフォルニアで見たのと同属である。

14-1 鯨類化石 2002.3.14
14-2 Cetacean fossil. 2002.3.14

 プロトプテルム類は、ジムが集めたものが数点あるだけでジムの家にあるほうが多い。ここでのジムな役割はどうなっているんだろう。ジムは鉄道関係のお仕事で、博物館の協力者のアマチュアである。おそらく研究中の標本は家に持ち出していいのだろう。許可をもらったので、写真を撮り、レプリカの雌型を作る

14-2 プロトプテルム化石 2002.3.14
14-2 Fossils of plotopterid. 2002.3.14

 レプリカ作成のシリコンラバーの残りはブルースに進呈する。また、日本で使っている小さなタガネの材料を見本に置いてくることにする。さらに展示室にある鯨類の化石(ケトテリウム類)について質問していると、ここに漸新世のヒゲ鯨類の骨盤があることが分かった。ニュージーランドでは、大腿骨を見たが骨盤はなかった。若松区の鯨を復元したときに、骨盤が無かったので原鯨類のものをいいかげんにアレンジしてごまかしたのが気になっていたので、見せていただくと思ったよりずっときゃしゃで、なおかついろいろな形態上の特徴があり、非常に興味があったので、レプリカを入手したいとお願いすると、ブルースが「ここに一つあるから持っていっていいよ。」と快く寄贈戴いた。帰ってすぐ彫刻家の方に反対側を作ってもらい、館に展示された鯨化石にはそれを付けることができた。

14-3 骨盤を付けた骨格レプリカ 北九州 2002.11開館時

 バーク博物館に展示されているクジラ類の頭骨化石の写真を掲載しておく。

14-4 展示室の鯨化石 2002.3.14
14-4 Cetacean fossil on display. 2002.3.14

 これで、今回のアメリカ調査の目的のほとんどを果すことができた。つまり、ワシントン州のプロトプテルム類化石を観察すること、その産出地を見てくること、さらにチャンスがあれば一個採集すること(確かなものはできなかった)。おまけとして、漸新世鯨類の骨盤を手に入れたから、大成功であろう。

Key words: Seattle Burke Desmostylus Plotopterum Aetiocetus Cetotherium Fossil シアトル バーク博物館 デスモスチルス プロトプテルム エティオケタス ケトテリウム 化石

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