痛飲？

　力仕事を少しやって汗ばんだ日の夕方、飲み物専用として使っている古い冷蔵庫を開けた。

　いつも飲んでいるアサヒDRYビールのそばに、見慣れない缶ビールが、3缶パックに入って冷やされていた。

　「今日はこれを飲んでみよう」。ブルー・ゴールド・レッドと3色の缶全部を食卓に並べた。「本生・発泡酒」と書いてある。

　ブルーの缶には、「アサヒ本生アクアブルー」爽快糖質50％オフ、海藻エキスを醸造工程で使用することで、爽快な飲み口と澄みきった「生」のうまさを実現、と書いてある。

　ゴールドの缶には、「アサヒ本生ゴールド」芳醇飲みごたえ、アサヒリッチ酵母が醸しだす芳醇な香りと麦の豊かな味わい、そして心地よい苦味、贅沢なコクと飲みごたえの「生」を実現。

　レッドの缶には、「アサヒ本生」コク・キレ、海洋深層水と大麦エキスを醸造工程で酵母をイキイキと働かせるために最適な量を使用、コクとキレの本格「生」を実現と書いてある。

　まずブルーの缶を一気に飲み干した。うまい。発泡酒なのに、ビールと全く味が変わらないように感じた。

　2本目の缶を開けた。今度はゴールドを選んだ、これもうまい。うまいとしか言えない。缶に表示してあるような薀蓄は、私には味の差としてはよく分からない。

　普段は350mlが1缶でも少し余るのに、その日は2缶も空けることができた。アルコールに弱い私としては珍しい出来事であった。

　飲み干した後、もう一度缶に書いてあることを読んでみた。栄養成分表に、100ml当たりのエネルギーが表示してある。

　計算してみると、摂取した量は、2缶で110kcalになっていた。ウオーキングに換算すると、約3700歩・2.6kmくらいに相当する。

　日中、少し流した汗に、ほぼバランスするエネルギーだと納得をした。気分良く赤くなった顔で、もう一度じっくりと缶を眺めてみた。「非売品・内容量135ml」と書いてある。

　この私が、2缶らくらくと飲めたわけだ。2缶飲んでも270mlだ。妻が、キャンペーンでもらってきたものだと知った。どうりで薀蓄の多い缶だと思った。

　今度は私が、この「非売品」を求めに行こうと思ったが、何度も行くとヤバイことになりそうなので、やめることにした。少し残念。
　　　（写真は、2缶空けた「非売品・薀蓄発泡酒」）