写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

裁断機

2006年04月15日 | 生活・ニュース
 昨年より地域福祉の一端を委嘱され、住んでいる地区に対して、小さなボランティアをやっている。

 今月より、その各人に小型のペーパー裁断機が貸与された。職務遂行上、個人情報を記載した書類を取り扱ったり、作成することがある。

 それらが、不用となったときに、これで裁断した上で、廃棄するようにとのことであった。

 個人の人格を尊重し、その身上に関する秘密を守るという意味から考えて、きちんと書類を処理することは大切なことなので、大いに活用したいと思った。

 家に帰り、早速、試運転をしてみた。紙を入れると、バリバリと裁断機の口にかみ込まれていった。A4サイズの大きさまで、1度に5枚裁断できると書いてある。

 箱の底をのぞいてみると、紙が幅5mm、長さ4cmの小片となって重なっていた。見事なまでに、きれいに裁断されていた。

 会社勤めをしていた頃、オフィス用の大型裁断機を使ったことがある。その機械は、縦方向に長く裁断するだけのものであった。

 短冊状に細かく切れていないので、紙が絡んで大きく嵩ばり、袋に入れるのに苦労したことを思い出す。

 このたび貸与されたものは、小片に裁断されるので、嵩ばらなくて助かる。しかし、裁断機を使わなければならないほど、廃棄する機密書類は多くない。

 そうは言っても、個人情報保護法もあることだし、人様に迷惑をかけることのないようきちんと処理しなければならない。

 私用にも使わせてもらうとすれば、車のトランクに隠し持っている独身時代の古い手紙くらいのものか。おっと、そんなものは、もうとっくの昔に処分している。

 今あるとすれば、叩き切ってしまいたい過去のしがらみか? しかし、こればかりは、切っても切っても絡んできそうだ。

 だからと言って、折角の裁断機を使うこともなく、間違ってもサイダンに祭っておくことのないよう気きをつけなければと思っている。 
   (写真は、貸与された「裁断機」)