写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

やおら初詣

2019年01月05日 | 生活・ニュース

 年末から帰省していた次男家族4人が、今日(5日)新幹線に乗って帰っていった。日ごろは閑散としている新岩国駅も、見送りの家族で一杯である。どの家族にも、お爺ちゃんとお婆ちゃんが改札口で孫達としばしの別れを惜しんでいる。

 入場券を買ってプラットフォームまで上がった。発車のベルが鳴り「お見送りの方は黄色の線までお下がりください」とのアナウンスに従い一歩下がって手を振ると、2歳2カ月の孫娘が笑顔で手を振ったとき、ドアが閉まり発車した。

 「来て嬉し 帰ってうれし 孫の顔」と言うが、人並みに一抹の淋しさを味わわせてくれる。その帰りがけ錦帯橋に近づいたとき「あっ、初詣に行こう」と、毎年のことながらお正月が過ぎて、やおら初詣に出かけた。

 昨年の11月に孫息子のお宮参りをした白山比咩神社へ向かった。吉香公園内は土曜日とあって、まだ正月気分の観光客が結構沢山そぞろ歩いている。頭上を行きかうロープウェイも盛況のようである。

 神社にも私と同じように遅まきながら初詣の人が三々五々参拝に来ている。いつものように今年を占うべく、奥さんと「おみくじ」を引いてみた。恐る恐るというかそっと開いてみると2人とも「大吉」が出て大人げなく喜ぶ。

 「神の教」には「花の木陰に寝るような気持ち、感謝、感謝の礼ごころ」とあり「神様、御先祖様に、今日一日を無事に過ごさせて頂いた、有がたさのお礼を申して、明日の一日を、清く正しく生き抜くことをお誓い申そう」というようなことが書いてある。

 「願望」は「思うまま、しかし油断すれば叶わず」、「相場」は「買え、今がよい」、「恋愛」は「積極的にせよ」、「病気」は「信神せよ、治る」などと、どの項目を見ても良いことばかりが書いてある。さては、ここの神様もおみくじの方針を「ほめて伸ばす」にしたのかと思うほど、信神するものに対して優しさ溢れたおみくじに、悪い気はしない。「株でも買ってみるか」と言うと、「年末ジャンボも当たらなかったのに」と一蹴される。そんなことにも負けず、今年もルンルン気分で過ごせそうである。