写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

根本的対策

2021年04月09日 | 生活・ニュース

 日本にコロナの感染者が出始めて、すでに1年と2カ月が経過している。この間、新聞やテレビでまさに連日のごとく、日々の感染者数や感染防止対策について、繰り返し巻き返し国民がとるべき行動についての指導が行われている。

 なかでも今年に入ってから、対策の切り札とされるワクチンの接種が始まったが、今もってその供給を輸入に頼っているため、国民全体に行き渡る見通しは示されていない。ワクチンこそが大流行の対策に欠かせないものである。

 医療先進国と自負していたはずの日本が、肝心なワクチンの製造を外国に頼るしかない現状を、国はどう認識しているのであろうか。テレビでも新聞でも、この点を厳しく追及しているのを見たことがないと憤慨しているとき(4月8日)、毎日新聞の社説で初めてこのことが掲載されていた。「国内ワクチンの遅れ 中長期的な戦略が必要だ」と見出しに書いてある。

 「第4波」への懸念が出始めたころになって、新聞も「中長期の戦略が必要だ」なんて指摘は遅すぎはしないか。菅総理がよく「私の責任は国民の命を守ることです」と言うからには、グローバル化の進展で、感染症拡大のリスクが年々高まっている日本で、ワクチンの開発研究や生産できる体制の整備は常日頃からやっておくべき重要な課題であろう。

 日本のワクチンが遅れている背景には、副反応が社会問題化した歴史があって、官民協調の研究開発が進んでいないからだというが、与野党ともに内輪の揚げ足取りなどでうつつを抜かす暇はない。一刻も早く予算をつけて、日本の優秀な研究者を結集して、国産ワクチンを生産できる体制を整備してほしい。

 こんなことが出来ない内は「日本は医療先進国です」なんて胸を張る資格はない。