写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

生活音

2005年02月04日 | 生活・ニュース
 毎朝、4時を過ぎた頃、近所からクレームが出ているという大型犬の吠える声がする。早朝の散歩の催促だと飼い主は言っているらしい。

 しばらくすると、我が家の新聞受けを開閉し、バイクで立ち去る音がする。雨の日も決まった時間に確実に新聞が届く。

 5時30分、岩徳線下り一番列車のジーゼルカーが、踏み切り警報機を鳴らし始める。ガタンゴトンの音が近づき、そして遠ざかっていく。

 6時丁度、西の方で戦時下のような、けたたましいサイレンが鳴る。それに同調して、遠くで何匹かの犬がウォーンと遠吠え合唱する。

 おっと書き忘れていた。3時を過ぎると近所のニワトリは、もう全員が起きてコケコッコーだ。ナポレオン顔負け、睡眠時間は短かそうだ。

「ああ、やかましくて寝ていられない」と言いたい所だが、私は熟睡していて、こんなに生活音が出ているとはついぞ知らなかった。

 毎日規則正しく聞こえてくると、私の中ではやさしい子守唄に編曲されてしまっているのかもしれない。私は年中春眠をむさぼっている。
   (写真は、ストリート ノイズ)