まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 898

2014年04月01日 |  マツタケの林地栽培 

春です。新学期です。小中学校生のころは、浮き浮きしたものを覚えたものです。だが、今は「こりゃあ変だぜ」とばかり、ついつい酷税の春なんて思うのです(関連内容がマツタケの話9の前半にあります.お読み下されば幸いです)。

 春らしい話題から始めます。写真1は、鹿に食われて消失したかと心配されたササユリです。ニホンジカの食害法を褒めないといけないなんて思ってもみませんでしたが、かれらは、根こそぎ食わないようだ。人なら、根っこからほり取るので絶滅してしまう。ヤマザクラも、今週はもっと膨らんでいるだろう。もしくは1輪2輪咲いているかも。
 
ニホンミツバチもよちよちと巣箱の外をはっている(2)。植栽しているギョウジャニンニク、ワサビ、ウルイ(オオバギボウシ)、スイセンの花も鮮やかだ( 3,4,5,6)。
 
 新鞘を食われているが、アカマツの葉も緑を増して目に鮮やか(7)。地衣(下記参照)の仲間であるアカミゴケの子器の赤が目立つこと(8)。
 
 ヤマガラ班の山づくりを久方ぶりに見に行きました。C地区の作業がA地区との境界に接し、両区がめでたくつながったのである。開通式といって、1杯やろうということになっている(9,10)。
1) 2) 3) 4) 5) 6) 7) 8) 9) 10)
 
 すべての写真は、左クリックで拡大できますが、写真1,2などはピンぼけです。お許しあれ!

地衣類とは
 菌類(主に子嚢菌類)と藻類(藍藻類か緑藻)からなる相利共生体。菌糸でつくられた構造の内部に藻類が生活しており、藻類の光合成産物を菌類がエネルギー源としている。
 

 4月5日(土)は、まつたけ山復活させ隊第433回活動日です.本日の昼食は、松浦輝雄さんがメインシェフを務めます.参加者に春を感じて戴こうと材料集めに東奔西走(実際は南北だそうです)されています.もちろん昼食代に上限があるためで、金を出せば集めることは簡単なんです.何でしょうね、大変楽しみです.

 午前10時に京都市左京区岩倉 村松 香川山(自称:下記の§活動拠点へのアクセスを御参照下さい)にお集まり下さい.本日の活動の様子は、池内 正憲さんが報告します.
 
 皆さん!前回のメールでお知らせしましたように、隣の山主の要求でシイタケ栽培ホダ木等の移動をせねばなりません.一般的に、人工林、自然林を問わず林の中にホダ木をおいています.杉林が多いらしいですが、生産者に言わせると松林(マツタケ栽培用松林は明るくて乾燥しすぎ)に置いたホダ木からは量は少々劣るものの質の良いシイタケが出るそうです.昼食の材料であることを考えると、香川山BC内に置くことが望ましいと思われます.さて、どこが良いでしょう!
!移動候補地のアイディアをひねり出して下さい.

マツタケ山づくりの話9
 
 今回も、高文研出版の「まつたけやま復活させ隊の仲間たち」を引用しながら、マツタケのパートナーであるアカマツ林(里山林)について書き進めよう!

里山問題は貧困政治のしわ寄せだ-全森連よ 眠りから覚めよ!-

 人間生活の近代化、社会経済活動の大きな変化の中で、里山を価値のないもの、また価値の低いもののように考える人が多くなっている。ほとんどの所有者も無用の長物で固定資産税(実際は極めて安い)を取られているだけという認識だ。
 豊かさを求め、経済最優先で化石燃料など新エネルギー源(高度経済成長時)、工業製品の利用が急激に進んだためだが、放棄の影響が最も激しく現れた生態系が里山のシンボル的存在のアカマツ林とコナラ林といえるだろう。両者で全国の里山林面積の60%を占めている。
 
 多くの生き物が棲めなくなったという深刻な実態にもかかわらず、見た目の緑の多さに喜び、私たちは日本の自然が豊かであるかのように誤った思い込みや評価をしている。世界では、年に4万種もの生物が絶滅している。これは13分に1種類の生物が地球上から消えていることになる。その原因はいろいろあるが、生息地の破壊が大きな要因となっている。環境省の調査では、絶滅が心配される種群の5割が、里山の生き物である。

 今、老若男女を問わず、じつに多くの人たちが曜日を問わず山歩きに出かけているが、桜や新緑や紅葉を愛で、景観に見とれるとき、その背後で確実に進んでいる「緑の劣化」「生態系の崩壊」を意識したりするだろうか。ちらっと思ったりするが、明日になれば忘れてしまうのが現状でしょう。
 森林ボランティアは、全国に20万人いるともいわれる。その実態は不明だが、この山の状態は捨て置けないと活動する人の数ということになる。決して多くない。

 個人の自宅の庭が荒れ放題であるときには、近所の目は間違いなく厳しい。悪臭でも出そうものなら、待ってましたと警察沙汰になる。しかし山が荒れ放題で不法投棄の巣になっていても、憂う人はすくない。僕の目には変に映る。両者、荒れているなら正すべきと思う。

 山の荒廃、実は、これも政治の貧困から来ているが、その一義的責任がある山主はというと、良心派林家と無自覚派林家がいて、当然無自覚派が多い。無自覚派山主の意識をたまたま伺う羽目になったが、ただただ所有権を主張するのみで林の荒廃の責任が自分にあることすら全くに気づいていない。我々の提案も受け付けない。
 
 土地は個人の所有で山の機能は公益のものという思いくらい持ってもらいたいのだが。無知な山主の意識改革が必要だ。しかし全く進んでいない。全森連よ!しっかりせよ。

 消費税増税に対する国民の意識は「お上のいうことだから、仕方がない」が6割を占める。60年代70年代と比べて驚きだ。当時は国会を取りまくデモがあったのに。財政赤字は、裁判所、警察庁、検察庁、内閣などの裏金や無駄な予算とその執行に本格的メスを入れずに放置してきたからに過ぎない。要は、政治の舵取りの失敗ではないのか!多くの国民は、愚弄されていることをよしとしている。

 最近、一家の主が白い犬であるコマーシャルに不快感を覚える人たちがいると知った。なるほど犬とは言い得て妙であると思う。今の我々は、ご主人様に忠実なんだから。おまえらは犬並みと教えているのではないか。だから不快なのかな。「CS放送のNational Geographic局のカリスマドッグトレーナーという番組を見ると、反抗する犬が多いのに驚く。残念ながら(?)シーザー ミランというトレーナーのしつけでその反抗性を失う。やっぱり犬は犬なんだ。

 政治家の生活には痛みが無く国民の生活にのみしわ寄せが来るにもかかわらず、こんなレベルだ。連合の果たした役割は、ブルジュアジーにとっては拍手喝采ものであろう。限定的賃上げを勝ち取ったと「喜ぶな!」。連合の指導層は、労働貴族といわれるゆえんだ。働く者の組織率の低下がそれを物語っている。

 しかし、4月以降円安も加味され諸物価高騰を目の当たりにし、また、行方が定かでないがTPPが結ばれて、多くの事業をアメリカ資本が次々と受注する事態に面して慌てふためいても、もう遅すぎるのである。その時、日本には展望がないことになる。「若者達に無気力になるな」と誰が言えるのか!

 しかし、国民の生活は上下の波があり、必ず揺り戻しがある。意識は過激に変わる可能性を持っているが、里山問題では揺り戻しは、結果が見えるのに100年位の時間が掛かり、一個の人にはよほどの目的意識性を持って見なければ一生気づかずに終わってしまう危険性がある。だって、無自覚山主は、自分の持ち物が壊れているにもかかわらず、気にしていない。森林ボランティアに貸すこともいやがる。

 話を里山に戻すと、これらの林は今、樹木の病気であるマツノザイセンチュウ病とナラ枯れ病に喘いでいる。生息地の劣化によって、マツタケやホンシメジなど菌根性のキノコが住めなくなったことがそれらのホスト樹木の樹勢を弱め、抵抗力を低下させたに違いない。

 里山が置かれている厳しい現状を理解していただくためにも、一度ぜひアカマツ林やコナラ林など里山林に足を踏み入れてみてほしい。全国各地のアカマツ林を見て回ると、センチュウ病の被害で立ち枯れて〝白骨化〟し、倒れたアカマツの大木が累々とある様には心が痛む。そんな痛々しく悲しい里山の風景が年々、この国の各地で広がっている。   

私たちは里山崩壊にどう向き合っていくのか
 このまま問題を放置しておけば、必ず里山はなくなってしまうだろう。同時に、里山保全というテーマも私たちの前から消えると考えられる。国が、我々が、そこに棲んでいる生き物のことや日本人の原風景の果たす役割など、里山の機能を本気で考えてくれるように願うばかりだ。

 しかし、この問題にどう向き合っていくのか。大変な労苦と犠牲抜きには解決できない大きなテーマである。もし仮に、かつての豊かさに満ちた里山に戻すことが大切だと国民的合意がなされたとしても、おそらく、費用は誰が出すのかといった議論に終始することになるだろう。そんな時間はもはやないと思うべきだ。
 
 森林ボランティアの活動だけでは、全国に770万㌶ある里山再生は、荷が勝ちすぎる。 一刻も早く、里山の資源を活用する事業に助成金をつけ、新林業を育成しなければならない。再び、全森連よ! 眠りから覚めよ。森林ボランティアとタッグを組め! 放棄林の手入れを進めよ!

里山土壌の富栄養化はマツタケの大敵
 マツタケとアカマツの関係をさらに危うくし、アカマツ林を脅かしているのが里山の土壌の富栄養化だ。かつて里山のシンボルだったアカマツ林からは春先、水田に肥料や土壌改良用として鋤き込む刈敷を採取するので、当然、刈り取られたアカマツ以外の木は大きくなれない。言い換えれば、アカマツの競争相手を人が押さえ込んでしまうわけだから、他の木が被い茂ることもなかった。それに、農閑期には集落こぞって山に入り、林内に溜まった落葉を集めていた。
 
 すると、陽樹といわれ「日光大好き」のアカマツは〝我が世の春〟である。しかし一方で、毎年、落ち葉を掻き取られるのだから林全体の土壌は貧栄養の状態が続く。マツタケもアカマツもこのような環境を好む生きものである。このため、アカマツは必要なミネラルを提供してくれるパートナーをほしがる。その相手となる菌根性のキノコとして、アカマツはマツタケを選ぶことが多い。

 「多い」と曖昧なのは、アカマツと相利共生関係を営むキノコにはホンシメジ、ハツタケ、テングタケ、コツブタケ、ヌメリイグチ、ハリタケ類、クロカワなどたくさんあり、マツタケだけでないからだ。絶対ではないのである。当然、競争に負けることも多い。

 とにかく、栄養分が少ない土壌環境があって初めて両者にとって真に都合の良い相利共生関係を結ぶことができるのである。マツタケを感染させた場合、アカマツの成長が良いことも研究で分かっている。

 高度経済成長以降、生活方式を変えた私たちは、急速に里山林を利用しなくなった。すると、アカマツ林ではそれまでと逆の変化が生じた。競争相手の樹木が茂り、しかも集める人手もなくなって林床に残された落葉は微生物の活動によって分解され、年とともに腐植として林内に堆積していった。そうなるとアカマツ林の土壌は、人手が入っていた時と反対に富栄養化し、アカマツ・コナラ向きの山でなくなり、質的変化を来すことになる。
 
 栄養たっぷり、ミネラルたっぷりの厚い腐植層があると、アカマツは栄養吸収を担っている細根を腐植層に伸ばしてくる。一方、マツタケの生活帯は、鉱物質層といって腐植層の下にある土壌である。この地表の下わずか30㌢±10㌢の狭い範囲がマツタケの生活できる範囲だから、その上層にアカマツの細根が集まれば 、マツタケの生活帯には感染できる細根が減ることになる。そうなったらマツタケの棲みかがなくなってしまう。

 土地が肥えるとアカマツは相利共生相手がいなくても栄養摂取が容易になり、マツタケは「お役御免のお払い箱」とばかり感染を拒否され、根っこに付けなくなってしまう。実際、実験室では、肥えた土壌や水分を多くして育てたアカマツ苗は、マツタケ菌を接種しても菌根形成率がガクンと落ちてしまう。両者の相利共生関係は微妙なものだ。

 腐植が溜ると、マツタケにとって一層都合の悪いことが起こる。秋、マツタケ子実体はつぼみ状態から成長して大きく開いたマツタケの傘の裏のヒダから落葉の上に胞子を落とす。落ちた胞子がアカマツの細根と出合うためには、腐植層をかいくぐって土の中に潜り込まなければならない。ところが、落ちた胞子には運動能力があるわけではなく、雨水に運ばれると想像されている。落ち葉を通り抜けても下に厚い腐植層があると、そこを通り抜ける際に胞子は腐植に捕捉されてしまう。

 これでは、頼りとする地中の細根と出合うことは許されない。それに腐植の中で胞子が発芽したとしても、アカマツの細根をめぐる他の微生物との競争や戦いにエネルギー不足のマツタケの菌糸が勝てる可能性は低い。偶然感染できたとしても、マツタケは貧栄養の土の中でしか生活できないのだから、あえなく死ぬことになる。
 
 しかも、なんとか無事に生活圏の土中までたどり着き、たとえ細根と出合っても、もうマツタケの助けを必要としなくなったアカマツに感染を拒否される。そして、マツタケ単独ではエネルギーの補給が絶えてしまう。これではマツタケの新しい命は生まれず、世代が途切れることになる。土の富栄養化はマツタケにとっては致命的なのである。こんな様子が今のアカマツ林である。 続く  

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§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山 (京都バス停留所「岩倉村松」から北東へ450m徒歩6分) 
 活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.
アクセス:
京都バスの「岩倉 村松行き」に乗車.
このバスに乗車するには、
ア)JR京都駅七条口から(バス停「C6」番、所要時間約60分)
イ)阪急京都線四条河原町駅から(四条河原町交差点河原町通り北へ上ル東側)40分
ウ)京阪本線出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側、約30分)
エ)京都地下鉄烏丸線国際会館から(3番出口からバスターミナル1番)約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

§参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.メンバー参加者には、現在、食材費+消耗品費として400円を徴収.登録外参加者・見学者などは要500円(施設利用代などを含む).

§参加や見学希望の方は、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.
内容
まつたけ山復活させ隊の活動について 
§1 我々のまつたけ山再生運動とは? 
§2 まつたけ山復活させ隊に参加するには 
§3 私達のマツタケ山造り(作業方法の特徴)
§4 こんな活動をしています! 
§5 今年の予定と目標?

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まつたけ山復活させ隊活動

予定日  2014年4月~6月
回  開催日  報告担当者  男厨シェフ

433 4月05日 土 池内   松浦
434 4月11日 金 榎本
435 4月19日 土 三輪
436 4月25日 金 宮崎
437 5月03日 土 池内   内田
438 5月09日 金 内田
439 5月17日 土 榎本
440 5月23日 金 三輪
441 5月31日 土 宮崎
442 6月06日 金 内田
443 6月14日 土 池内   川崎
444 6月20日 金 榎本
445 6月28日 土 三輪  
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§カンパありがとう!  

§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173

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§主 催
まつたけ十字軍運動
代表 吉村 文彦(マツタケ生態学)
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27
090-6227-4305 redpinemushroom@gmail.com

香川理化学研究所
代表 香川 晴男

§共 催
京都大学マツタケ研究会
代表 大石 高典

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