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マツタケは栽培できる(7)

2005年09月20日 | マツタケの生理生態

マツタケの栽培法                
マツタケの栽培法は2通りある
一つは、温度、湿度、培養基の性質など物理的要因や化学的要因を制御した環境で、マツタケの胞子や培養菌糸を培養基に接種してマツタケ子実体を得る方法である(狭義の人工栽培).

二つ目はアカマツ林をマツタケの生活しやすい環境に整え、アカマツ細根を増加させマツタケの胞子などを播種したりして、マツタケ子実体を得る方法である.マツタケ菌糸マットをアカマツの根に接種し、人為的に菌根を作ることも可能になった.

前者の方法は、100回に1回くらいの割合で親指大のマツタケ子実体が得られる.なぜマツタケ子実体が得られたのか、あるいは何故得られないのか解明できてないので再現性を欠いている.

後者は、アカマツ林を健全に誘導する効果もある(このことは,ヒトが生活するために極めて重要なことである).全国的に森林の放置が進み森林機能の低下を来している森林の現状を改善する必要性からも最も望ましいマツタケの栽培法である.
そう言う意味で,マツタケのオガ粉栽培など考えるべきではない.

林地栽培の効果
 岩泉町の例
マツタケが発生しているアカマツ林に正しいマツタケ発生環境整備を実施した場合(単に昭和10年代のアカマツ林に戻すことである)、その効果は100%である.まつたけ研究所向林試験林(1ha)では、1990年に発生環境整備を実施、36のシロを確認.現在(2000.10)は101のシロを有するにいたっている.

マツタケ未発生林の場合、失敗例が少なからずある.この原因は、発生環境整備を初年度に実施し、その後、林を放置することにある.整備後の林の放置は放置以前以上にマツタケの生活に不向きな状態になる.

こんな例がある.マツタケ発生環境整備事業には公的資金の補助制度があるが、例えば、2週間で作業が完了する計画なら、人は2週間しか山に入らない.補助金制度に問題があるにせよ、これは作物の栽培者のすることではない.

アカマツ林に適正な手入れを恒常的に施しさえすれば、マツタケ既発生林ではシロ数やマツタケ発生数の増加が見られる.また、研究所試験林のマツタケ未発生林(人工アカマツ林)においては、1993年に岸長内沢試験林(人工アカマツ林、20年生)で、また、滝野向林試験林(人工植栽、35年生)では1997年に、初シロの形成をみている.

繰り返しになるが、昭和10年代は全国いたるところのアカマツ林に蹴飛ばすほどにマツタケは生えていたのである.(続く)

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