まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊・まつたけ十字軍運動NEWSLETTER 610

2011年06月08日 |  マツタケの林地栽培 

まつたけ産業で地域おこしを! 京まつたけ復活・里山再生市民運動
 

Phot.1 アカマツ林の林相                      Phot.2 左記のアカマツ林の土壌断面

Phot.3 アカマツ林の林相                     Phot.4  左記のアカマツ林土縦断面

次回(292回)の活動日は6月10日(金)です.午前10時、岩倉香川山にお集まり下さい.

マツタケ山診断報告
 6月7日、滋賀県朽木で活動するNPO麻生里山センターの呼びかけで、太陽生命の森に出掛けてきた.まつたけ山復活させ隊の仲間8名と一緒である.午 前10時に朽木の事務所に到着.滋賀県立大学の野間先生と大学院学生と合流.  事業名『森を耕す』寄り合いプロジェクトの説明を朝日森林文化協会の海老沢さんから受けた.  

A)アカマツ林概要  
 目的の場所は、森林文化協会の「朝日の森」を滋賀県高島市が買い取ったところである.かつては、驚くほどまつたけが採れたと地元NPOの方は言っ ていた.しかし、放置されて40年は経っていて、アカマツの樹齢は50年ほどである.  
 近くのアメダス平年データの蓄積はないが、かつて大量発生があったのだから、気象条件とか斜面の向きなど心配はない.でも、発生量の減少にはちゃんとした理由があるはずだ.アカマツの状態や土壌の様子である.アカマツ林放置によるアカマツ立木密度の減少、樹齢のこと、腐植層堆積による土壌の劣化などである.  
 僕たちの活動場所・京都市左京区岩倉にある澤田山・玉城山とは比較にならないほどアカマツが多い.もちろん、岩倉の林ではアカマツ林が放置され 遷移し、アカマツがほとんどないためでもある.しかし、朽木のここは、1~2ヶ所であるが、昨年もマツタケの発生があったというアカマツ林である. 正確な発生ポイントの確認が、ここでも出来てない.残念である.しかし、手入れで休眠状態にあるシロの回復が期待できる(ここまで来た マツタケ栽培 トロント社発刊 参照)今回は植生調査を省いたが、林の写真2枚が示すとおり、素晴らしいアカマツ林とは言えないまでも、写真で見る以上にアカマツ立木密度が高い.
 

B)土壌断面の様子  
 午前中1ヶ所、昼から1ヶ所、計2ヶ所の土壌プロファイルを調べた.
1)アカマツ林の様子はPhot.1.ここは標高340m、南南東斜面に位置する.Litter層の堆積は1cm、腐植層は3cmと林の状態から見ると少ない (Phot.2).その下B層の色はグレイである.礫が多く、その上部にアカマツの根が集中している.なるほどマツタケの生活に適していたところと見受け られる.

2)林の様子は、Phot.3をご覧下さい.綺麗なアカマツがある.南東斜面で標高は345m.ここでは、礫がなく粘土質で、約80cmのプロファイルを調べ た.Litter層は、同じく1cm弱、腐植層は4-5cm、B層土壌に腐植物質が約20cmの深さまで染みこんでいる(Phot.4).A層が発達していると言える .これはマツタケにとっては致命的である.B層土壌は褐色で、A層から下部30cmの部位までにアカマツの根が16本(50cm四方)ある.この土壌は、 マツタケのシロがなかったか、シロ崩壊から何年も経って回復したのかどちらであるが、細根数が多いので未感染土壌である.しかし、これからも、こ こにはシロが形成されない.


C)診断結果  
 今あるアカマツ林に、マツタケの生活に適した条件が少なからずあるところは、宝の山であると考え、マツタケ山づくりをするべきだ.しかし、マツ タケの研究者の判断は100%とは言えない.ところが、マツタケがここは、未だ可能性があると教えている、すなわち 1本でもマツタケが採れている林 は、手入れの効果は100%である.無から無は大変だが有から有は易しいといえる(先述のマツタケ林地栽培の本).    まず今年の秋、マツタケの発生位置を正確に知ることが必要.  その辺りを中心にして10m四方、20m四方、30m四方と整備範囲を広げていく.決して一気に理想的なアカマツ林の姿にしてはいけない.木を伐りすぎないこと、地掻をし過ぎないことなどに注意.これらは、素人の陥るやり方である.環境の改変が進み乾燥気味になる.シロの消滅につながる. 株元5cm以上の広葉樹を伐る.群がる萌芽樹を間引く.地表の堆積物が比較的少ないので地掻は当面しないで良いだろう.

お知らせ
1)300回記念を8月の初めに 行いたいと思います.例年通りのスタイルを考えています.

2)まつたけ山復活させ隊の仲間たち(高文研刊 1680円)  
里山は必要なのか? アカマツの姿は? ナラ枯れは?と心配が尽きない.生物多様性上その保全は必要であるといってもそれほど注目を浴びない. 見向きもされない.それぞれのボランティア運動体は一生懸命頑張っているが,元里山の復活は小さい.  
 しかし読んだ方に面白いしフィロソフィーを感じると言われる.愉快なメンバーの紹介もある.   
マツタケ研究の難しさについても考察されている.僕たちは苦しみながらもまつたけ山づくりを楽しんでいる.  書店でお買い求め下さい!  他に、素晴らしい仲間の生の原稿と全国の友人の原稿をノーカットで小冊子にしたものがあります(送料込みで400円で販売).

カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!  
カンパの振込先  
氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦  
銀行名: 京都銀行 山科中央支店 
口座No. 普通預金 3698173

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§開催予定日 
2011年6月―7月
第292回06月10日(金) 宮崎
第293回06月18日(土) 池内
第294回06月24日(金) 榎本
第295回07月02日(土) 宮崎
第296回07月08日(金) 三輪
第297回07月16日(土) 池内
第298回07月22日(金) 榎本
第299回07月30日(土) 宮崎

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§活動拠点へのアクセスなど (参加ご希望の方は事前に電話下さい、090-6227-4305.また2011年1月1日付ブログ565号を読んでおく必要があります.)
活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 京都バス停留所「岩倉村松」から北東へ450m徒歩6分) 活動開始は,午前10時頃から終わりは午後4時頃. 自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は参加のこと.
アクセス: 京都バスの「岩倉 村松行き」に乗車. このバスに乗車するには、
ア)JR京都駅七条口から(バス停「C6」番、所要時間約60分)
イ)阪急京都線四条河原町駅から(四条河原町交差点河原町通り北へ上ル東側(40分)
ウ)京阪本線出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側、約30分)
エ)京都地下鉄烏丸線国際会館から(3番出口からバスターミナル1番)約15分 (地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)
§参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.食材費(実費)+消耗品費として現在 400円を徴収.
参加や見学希望の方(見学するためには)、
2011年3月8日付ブログをお読み下さい.
○まつたけ十字軍運動とは何をする?
○まつたけ山復活させ隊活動への参加方法は
○私達のマツタケ山造り(作業方法)の特徴  作業内容と作業区の紹介
○今年の予定と目標?
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§主 催
まつたけ十字軍運動
代表 吉村 文彦(マツタケ生態学)
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27
090-6227-4305 matsutake10@gmail.com

香川理化学研究所 代表 香川 晴男

§共 催
京都大学マツタケ研究会
代表 大石 高典

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