まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1103 

2016年04月26日 |  マツタケの林地栽培 

 前回の宮崎報告に見られるように、里山は美しい花々で彩られています.植物がその艶を競い、虫たちを誘っています.

写真1. 種から育ったササユリでシカの食害を受けないように覆いをしている.

 ササユリが一段と大きくなってきています(写真1).花が咲くまで野生で7年以上と言われるので、あと4年ほどは待たねばならない.ササユリが減っていると言われる.確かに里山林が放置され、林縁がいわゆる草ボウボウ状態で林床に日が当たらないため、ササユリの生育環境が劣化したり減っているのであろう.

 私たちもマツタケが生活する里山林を再生しようと、近代的マツタケ学の草分けである故濱田 稔先生が設置された試験林(岩倉尼吹山)の傍で活動している.里山林の資源を利用しなくなり、刈り取られていた植物が茂りすぎた.里山林の主たる樹木・アカマツやコナラはそんな山では生活できない.樹勢が弱ったところで樹病に犯されている(写真2).マツタケのホストであるアカマツが無くなって元里山林となっている.ニホンジカに食われるネズの幼木もある(写真3).

写真2.今週も尾根筋のアカマツが枯れました.

写真3.ネズの上部幹を食害されたのでその上が枯れた.その部分を切り取りました.白く見えるのはネズの幹です. 

 人工アカマツ林とマツタケの相性の課題を考慮せねばならないため、付近に母樹機能を持つアカマツがあるときには、天然下種更新が可能だしその方法をとるべきだが、それができないエリアもある.周りにアカマツが無いのである.岩倉では、アカマツ林を再生してからマツタケのことを考えねばならない状態です.三品班の活動エリアは母樹アカマツがないため、香川山で採取したアカマツ種子とザイセンチュウ枯損を免れた東山マツの種子などを苗床に播種した(4,5,6、7,8).発芽した実生を必要に応じて移植するという.

4.苗床づくり 5.アカマツ種子を播く 6.播種後の水やり 7.名札を着けて終わり

8.作業時に踏まれないように棒をたてる

最後になりましたが、九州・熊本、大分は未だに地震と雨に痛めつけられている.どういって良いか正直なところ言葉がありません.それほどに心が痛みます.地震は、鹿児島トカラ列島にまで飛び火した.稼働中の川内原発は大丈夫かなと思う国民は多い.里山崩壊対策も「ちゃんとやるやる」のかけ声だけだが、九州復興には国を挙げての有効な対策がとられんことを願っている.

4月29日(金)はまつたけ山復活させ隊第535回活動日です.午前10時に京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称)にお集まり下さい.活動報告は内田 正明さんです.当日夜、ブログで是非ご覧ください.  

【お知らせ】
1)酒蔵文化道場
  日時:5月7日(土) 午後4時から
  場所:神戸酒心館ホール 神戸市東灘区御影塚町1-8-17(最寄り駅:阪神電鉄石屋川駅・JR六甲道駅)

  講演:吉村 文彦【人と里山林そしてマツタケ】
  懇親会:午後6時~
 【会費】講演会:2000円、懇親会:4000円   申込みは神戸酒心館 078-841-1121

2)南丹市園部町大河内生産森林組合 20年生 アカマツ林診断
  老齢化した3haのマツタケ発生アカマツ林を20年前に皆伐、現在きれいなアカマツ林に再生されている.近辺に5-60年生のマツタケ発生アカマツ林があるとのことで、将来マツタケ発生を誘導できるロケーションにあるか、また手入れ方法の決定のため調査を行ないます.興味ある方は吉村 文彦までメールもしくは電話ください.
 日時:5月23日(月)午前10時過ぎ(詳細は未定) JR園部駅集合  

 

【まつたけ山復活させ隊の心得】悔いの残らないように活動しよう! 
1.あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!
2.チェーンソーで立木を伐る作業は、取り扱いを習熟するまで厳禁です.事故が起こったら自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.
3.掛かり木の処理で死亡者が続出だそうです.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の始末は慎重に!
4.急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.切り株を残さないように地際から伐りましょう!
5.マダニ対策の徹底を!
イノシシやニホンジカの行動エリアが非常に増え、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性脳炎症も日本に存在する.脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう! 
6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になってきます.


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【まつたけ山復活させ隊とは!】
マツタケの生活する里山再生・保全のため集うものである.

 我々の仲間には、山づくりをする人、運ぶ人・軽トラを貸してくれる人、薪をつくる人、病害木を焼却する人、畑や水田を守る人、食事を作る人、道具類を整備する人、拠点を整備する人、道路を補修する人、バイオトイレを守る人、多機能窯を守る人、山を提供する人、ブログ読者など参加者と支援者がいる.すべての参加者は、運動の目的を実現するために互いに対等で支え合い助け合うことを必要とする.

活動には、目的はあっても参加者の行為を縛る規約らしいものはない.個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるようにと願ってのことである.しかし何をしても良いわけでは断じてない.


§活動場所:
京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山 (自称:京都バス停留所「岩倉村松」から北東へ450m徒歩6分)
活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

アクセス:
京都バスの「岩倉 村松行き」終点が便利です.バスに乗車するには、

ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

§参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.登録外参加者・見学者などは500円(施設利用代などを含む).

§参加や見学希望の方は、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.また、参加日や人数などを主催者に電話下さい.
内容
まつたけ山復活させ隊の活動について 
§1 我々のまつたけ山再生運動とは? 
§2 まつたけ山復活させ隊に参加するには 
§3 私達のマツタケ山造り(作業方法の特徴)
§4 こんな活動をしています! 
§5 今年の予定と目標?

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まつたけ山復活させ隊活動日

2016年4-6月
回 開催日    報告担当者  男厨シェフ

535 04月29日(金) 内田
536 05月07日(土) 榎本 松本
537 05月13日(金) 三輪
538 05月21日(土) 宮崎
539 05月27日(金) 内田
540 06月04日(土) 吉村 内田・榎本班
541 06月10日(金) 榎本
542 06月18日(土) 三輪
543 06月24日(金) 宮崎

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§カンパありがとう!

  
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173

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§主 催
まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forest
代表 吉村 文彦(微生物生態学)
京都市
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com

香川理化学研究所(香川山オーナー)
代表 香川 晴男
京都市

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