まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

里山林の新しい活用を考えよう!

2005年08月02日 |  マツタケの林地栽培 
 思えば、私たちの生活は「豊かに」も「便利に」もなった.飽くことのない人の欲望実現の陰に失くしたことも沢山ある.その一つに地球全体で生じている環境破壊がある.環境の修復などが新たな産業を創ると期待もされている.これらの課題を20世紀型の経済効率第一で解決しようとすると必ず抜ける分野が出てくる.その中に森林があり林業があるように思える.
 森林をその生成過程で分けると、原生的な森林、里山林と人工林になる.人の活動が及ばなくても森林を維持する能力を生来的に保有している生態系は原生的な森林だけである.里山林は人が生産活動の場として維持してきた、人工林は保育活動を施さねばならない生態系である.従って、これらの生態系の維持には方法論を異にせねばならない.
 最近、田んぼも水田の時には水生生物が、乾田の時には他の生活能を持った生物が棲み分けていることが明らかになってきた.また、里山林もパッチ状に皆伐した林と生長した林分とで生物が棲み分けたり移動するのである.里山の小動物の多くは、田んぼと山とを両方使って生きている.絶滅の恐れのある植物の1/3が私たちの集落の近辺、里山に分布していたことも分かってきた.長い時間を掛けて、人が里山という生態系を創り出し維持したことによって、色々な生物がその環境に適応したのである.生物の多様性を保全するには本来の里山を回復させねばならない.
 長い間、微生物の生理生態を研究していて、現在、京都で、ボランティアの方々とまつたけ十字軍運動と称し、里山林を健全化すれば京まつたけが復活することを実証しようとしている.マツタケは里山林の主要な構成樹種であるアカマツをホストにするキノコで、アカマツ林土壌が富栄養化し駆逐されている.アカマツ林を1950年の状態に戻せばマツタケは増産できる.
 また、里山林には、他に優秀な食用きのこ、例えばホンシメジ、クロカワ、ショウゲンジ、アミタケなどが発生する.コシアブラの若芽はタラノメと同様である.ワラビ狩りを楽しみに遠くから沢山の人がやって来る.そして一杯の味噌汁に興じている.
 これらのことは里山林の活用に一つの方向性を示している.里山林を立体的に利用することで年間を通して活用でき、林家の若者と第一線を退いてくるであろう団塊の世代の共同作業が十分に可能でありペイすることを意味している.集落近辺の里山林の保全が進み、地元に仕事が生まれることになる.里山林という持続可能な資源の有効利用に大きく舵を切るときが日本に来ている.
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