のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

大根に蓑着せて寝ぬ霜夜かな(村上鬼城)

2008年12月06日 | アグリママ
我が家の初冬の風物詩
たくあん大根の日干し風景です。
自家用というよりも直売所への出荷用の方が
用途の割合は多いでしょうか。
例年、たくあん漬として出荷しても販売に苦労するのですが、
今年はちょっと異変が…

干す前の生のたくあん大根が欲しいという注文が
20本、30本と何回かありました。
これだけの量ですから業務用でしょうが、
それだけ流通していないということでしょうか。
毎日、大根が数百本も売れている直売所へ
出荷している農家のなかでもたくあん大根を
作付けている農家は何件もないようです。
我が家にまで声がかかるようですから。

通常出回っている大根は青首系とかいって
長さの短い大根です。
たくあん用大根は細長くて抜くのに苦労するのが
嫌われているようです。

米ならコシヒカリ、梨なら幸水というように
流通する品種が偏っていて
育て方も食べ方もいつのまにか忘れ去られてしまうことが心配です。
我が家で来年、また同じ光景がみられるかどうかは
年寄りたちの元気さ加減にかかっています。

そぞろありきそぞろ楽しき夕べなりや行くに友あり野辺に花あり(佐々木信綱)

2008年12月05日 | 農のあれこれ
千葉県北東部、旭市で千葉県指導農業士会と農業士会の主催による
農業情報交換研究会という催しが行われました。
仕事が遅れているのになあと思いながらも、
指導農業士会の地区役員ということもあって参加してきました。

指導農業士?農業士?と思われる方は多いと思います。
本人自身が県より認定されるまでよくわからない存在でしたから。
本来は「農業の担い手育成のために働きなさい」という役割のようです。

柏市内だけでも有機でトマトを作っている人、
100ha以上の農地を経営している人、
日本一のカブ生産地をけん引してきた人など、
魅力的、刺激的な農業者が名を連ねています。
その中に加えていただくのは荷が重いと考えていたのですが、
お付き合いさせていただくうちに
なんとなく居心地が良くなってきています。
それはきっと、皆さんが大きな人たちばかりなので、
ありのままの自分を出せる居心地の良さだと思います。

今回のようなイベントでは
各地の農業実践の現場を見学させていただき、
事務局から指定された席での交流会が持たれます。
見ず知らずの方が隣同士になることもあるのですが、
作物は違ってもそこは同業者、すぐに会話がはずんできます。

今回も、個人レベルで満足しているのでなく、
こういう農業情勢なのだからこそ
社会的に発信しなければという方もいらっしゃいました。
なるほどそうだなあと、さっそく感化されてします。

蝉の脱(から)ははたらくやうで哀(あはれ)也(句空)

2008年12月04日 | 冬の梨畑
この蝉の殻は「はたらく」というよりも生きてます。

苗木の植え付けをしようと土を掘り返していると、
ときどきこんなかわいい怪虫に出会います。
地表より5cmもないような浅いところに
体の大きさだけの空洞がありました。
きっと来年羽化するはずだったのではないかと思います。

半年も早く明るいところへ出されてしまって
面喰っている図です。
目を白白させています。
寒さに固まっているのかもしれません。
いずれにせよ、迷惑な話です。

小春日や湖より青き蟹の甲(水原秋桜子)

2008年12月03日 | 晩秋の梨畑
剪定作業に入る前の晩秋のナシ畑の作業。
施肥や落葉処理のほかに苗木の植栽があります。

ナシ仲間のHさんから
余分な苗木があるので掘りに来ないかという誘いがあり、
せっかくだからといただきに行きました。
具合の悪くなった樹を抜いた後などに苗木を植えるのが
根の活動が休んでいるこの時期の仕事になっています。

春も苗木の植え替えの時期です。
本格的な冬になる前のこの時期の方が
春に植えるよりも春先の芽生えが良いようです。
こちらが考えている以前から根は動き出しているのでしょう。

3年生ぐらいの苗木をスコップで地面を掘り返していますと
カチッと何かが当たる音がします。

なんだろうと土を払ってみると子ガメです。
どういう生態かわかりませんが、
卵の殻のようなものも一緒にありましたから
生まれたばかりのようです。
それも11匹を数えることできました。
土の中からザクザクと出てきたのは
小判でも蟹の甲羅でもなく、亀の甲羅でした。

この畑は手賀沼に面しています。
ここまで親ガメが上がってきて卵を産んだのでしょう。
在来種ではないように思います。
生息環境に適合した外来種が
ここでも大手を振って個体を増やしているのかもしれません。

向丘の櫟(くぬぎ)の木の葉日々に黄ばみ鋭(と)き蒼空とかけはなれ見ゆ(木下利玄)

2008年12月02日 | ネイチャースケッチ
夜半から今朝がたまで小雨が降っていました。
雨の多い秋?冬?です。
まだ梨畑では抜根や落葉処理の作業が残っていて
剪定作業には入れません。

タイトル写真は昨日のものです。

いつものクヌギの木ですが、
今年の黄葉はいつもより見事のように思えます。
写真で表現できるだけの技は持ち合わせておりませんが。