のらやま生活向上委員会 suginofarm

自然と時間を、都市と生命を、地域と環境を、家族と生きがいを分かち合うために、農業を楽しめる農家になりたいと考えています

草を引く鎖で開く稲の道

2009年05月23日 | 今年の納得米づくり
昨年来、話題となっている「チェーン除草」を
これまで公開されている情報をもとにわが家でもやってみました。
金属チェーン(鎖)を田植え後の田んぼ中を引きずることで
発芽したての雑草を引き抜こうという仕組み。

株間除草機「あめんぼ号」の動力部を利用して
チェーン除草具を考えてみました。

①エンジン動力でチェーンを引くとしても、
一輪車なのでチェーンを持ち上げながら歩かなければならないことから、
できるだけ軽量につくらなければならない。

②5mmぐらいの太さのチェーン20cm
+細めのチェーン10cm合計30cmのチェーンを
3cm間隔で引きずるためには
チェーンを取り付ける「軸」もそれなりの強度が必要になる。

③「軸」はチェーンの取り付け易さも必要

ということで、2cm幅のアルミの角パイプと
3cm幅のアルミ平板を組み合わせて「軸」にしてみました(写真下)

一輪管理機への取り付けは金具を加工し、
角パイプにねじ止めしています。

田んぼ中での取り回しを考慮して「軸」の長さは2m。
だいたい10kgの重量になりました。




実際に田んぼの中を走ってみると…(タイトル写真)

①チェーンの重量は半分になるので、気になりません。

②エンジンで引っ張られるので、推進力も十分。
むしろ、ついていくのが大変。

③足場が狭い条間しかないうえに、
チェーンをバランスをとりながら平衡状態に保つのが一苦労。

④Uターンをうまくやるには慣れが必要。
遅れると端のチェーンが畦に乗り上げてしまう。




主題の除草効果は…

①ポット苗でないために苗が引き抜かれないか心配されましたが、
田植え後4日でも問題ありませんでした。

②廃わらがチェーンにからんでしまうのは、
先輩諸氏がご指摘の通り。

③無除草剤5年目の田んぼ。
二回代掻きで代掻き後1週間たっていましたので、
無数に雑草が発芽していましたが、
結構な量の雑草が水面に浮かんできました。
相応の除草効果があると判断されます。




<1回目作業の結論>

面白いように草が抜けるというのが実感。
しかし、動力一輪車で引き歩くのはたいへん。
ならばということで、
次回は田植え機のフロート部分にチェーンをぶら下げて
田んぼの中を走り回ってみますか。
そうすれば、「軸」の長さを3mでも4mでもできて、
効率よく作業できるかも。

まだまだ試行錯誤が続きます。

<襟までも白粉ぬりて田植哉>一茶

2009年05月16日 | 今年の納得米づくり
今日は納得米プロジェクト7年目の田植え。
今年は8人で50aの田んぼで除草剤を使わないコメ作り。
この田んぼでは5年目の無除草剤稲作です。

一度代掻きして発芽させた雑草を
二回目の代掻きで雑草の密度を抑えようという
作り手側の勝手な思いも届かず、
もう次の雑草の芽がちらほら。
今年も雑草取りがたいへんそうです。

年中、水を溜めている「冬水田んぼ」が抑草作用がありますが、
この田んぼでは周りへの配慮から無理。
これまでの早めに株間除草機を走らせるという対応で
なんとか稲が負けない程度に抑草できればと考えています。
このほか、最近は
金属チェーンを田植え直後の草の姿が見えない田んぼの中を
引きずりまわすという技術も注目されており、
間に合えば試みたいと思います。

さて、写真は枕地で縦方向に補植をしている図ですが、
横方向に田植え機を走らせれば
こういう作業も最低限で済ませられます。
それをしないのは、
後で除草機や手取りした草を持ち出す田んぼスキーを走らせるため。



気が急く苗の言わんとするところ

2009年04月22日 | 今年の納得米づくり
11日に播種した稲籾でしたが、
早々に発芽し、順調に生育。
十日で1.5葉ほどに。
本日22日、苗床に入水してプール化しました。



去年は12日に播種して、26日プール入水でした

今年はどうも苗の生育が早いようです。
わが家だけでなく、まわりからもそういう声を聞きます。
もうあちこちで代掻きが始まっています。
単純に暖かい晩春なのか。それとも天候が荒れる兆し?


<苗代に水をやる二葉割れたり> 河東碧梧桐

浸種始まる

2009年03月29日 | 今年の納得米づくり
このところの乾燥した天気が続いたおかげで
田んぼもようやく機械がはいれるようになり、
久しぶりの賑わいを見せていました。

わが家では種もみの温湯処理および浸種作業に
納得米プロジェクトメンバーのお手伝いをいただきした。
あっそうそう、苗箱の土入れ作業も並行して行いました。

実は種もみの塩水選も予定していたのですが、
計画通り比重1.17でやり始めたところ
種もみのほとんどが浮いてしまい(!)、
泣く泣く商品としての種モミのまま使用することに。
昨年の出来が悪かったのか、
たまたま充実の悪い種もみにあたってしまったのか。
種モミ生産農家も手を抜いているわけでもないでしょうに。


<野遊びや飛行機飛べば手を叩く>  長谷川かな女

くず豆に等しく宿る菌の糸

2009年03月11日 | 今年の納得米づくり
先月11日に積み込んだぼかし肥。
だいぶ菌がまわってきましたが、まだ熱が下がりません。
50℃以上の熱を維持しています。

これまで2回、切り返してきました。
今年は例年より量が多く厚く積み込んでしまい、
奥の方の空気が足りていないのかもしれません。


2月22日 一回目の切り返し前の状態。



3月8日 2回目の切り返し前の状態



3月11日 空気の通りを良くしようと平積みにした状態


〈から山に春風ふけば日のもとの冬の半ばに似たる頃かな〉 正岡子規

on mouse's departure

2009年02月23日 | 今年の納得米づくり
昨日のぼかし肥の切り返しの時でした。

作業を始めようとしたとき、
一匹のネズミがボカシの中から一瞬姿を現し、
また囲い伝いに潜り込んでいきました。

餌と暖房付きの極楽で我が世の春を満喫していたのでしょうが、
残念ながら天国?地獄?への旅立ちです。


有機質のぼかしをはじめてから
米ぬかやくず大豆の在庫が一年中切れません。
当然、野ネズミやドブネズミの姿もなくならず、
罠にかけて駆除するのと彼らの繁殖力が競い合っています。

忌み嫌うネズミもこうして近くでよくみると
きれいな毛並みをしていてかわいい目をしているものです。
ペットにでもしようかという気にもなります。
しかし、害獣です。
せめて出立に際してきちんと立ち会うことにしましょう。


オスカー受賞の『おくりびと』の英訳タイトルが『Departures』で
on one's departureとなると「出発に際して」という慣用句になるようです。
だからといって on mouse's departure としたら
「ねずみの“出発”に際して」という意味になるわけでもないのですが


〈水落ちて田面をはしる鼠かな〉蝶夢

ぼかし肥え50℃六日切り返す

2009年02月22日 | 今年の納得米づくり
11日に積み込み、16日には50℃まで熱の上がった今年のぼかし肥料。
まだ50℃の熱は続いていましたが、
ここら辺で中まで均一に発酵させようと切り返し作業。

囲いのコンパネを開けると、ごらんのような大福もち状態。
周りは菌糸がまわって白くなっていますが、
空気の通らない中の方はまだ積み込んだままの状態。



湯気の上がるような中で切り返す。
切り返す、切り返すといっても
一度囲いの外に出してからまた積み込むだけ。
これで発酵の進んだ部分と遅れた部分が混ざり合って
空気も取り込んで、
さあもう一度、熱を上げてください。

50℃

2009年02月16日 | 今年の納得米づくり
11日に積み込んだぼかし肥が
50℃まで熱が上がってきました。
順調です。

でも
積み込んだ上に広げたむしろの中はネズミの館に。
エサはあるし、暖かいし、この世は彼らの天国。

多少のおすそ分け程度なら我慢しますが、
これ以上ネズミの数が増えてしまうとあとが大変です。

米ぬか、もみ殻、クズ大豆、くず米、卵殻

2009年02月11日 | 今年の納得米づくり
今年も納得米プロジェクトが始まりました。
立ち上がりが遅くなってしまいました。
体制がきちんと整う前にまずは肥料作り。
ぼかし肥料の積み込みを行いました。

7年目に入りましたので段取りも良く進んでいるのですが、
慣れによる落とし穴とか
メンバーの加齢による体力低下への配慮とか
注意を払わねばなりません。

今年は7人あるいは8人で進めることになります。
経験を積んでくれば積むほど
新たにメンバーに加わることが難しくなるのですが、
プロジェクトを継続するためには
次の担い手の育成も課題になってきます。

十六夜はわづかに闇の始(はじめ)哉(芭蕉)

2008年09月15日 | 今年の納得米づくり
昨夜の中秋の名月は姿が見えましたが
満月のはずの十六夜の今夜は小雨が降ってきました。
(十五夜は必ずしも満月ではないとのこと)
台風に刺激された前線が延びてきて
しばらくぐずついた天候になるという予報です。

これからどんなに雨が降ろうともわが家の田んぼは安泰です。

ここ連日、午前中はナシの収穫。
出荷は家族にまかせて午後から稲刈りという日が続きました。

今日は納得米プロジェクトの稲刈り。
これで全ての田んぼの稲刈りが終わりました。
ギリギリセーフでした。

一枚の田んぼは倒伏するくらいの稲でしたから
収量はあったようです。
面積からの計算上は楽に入ると思われたのですが、
刈ってみたら乾燥機に籾が入るきるか、
きらないか冷や冷やするほどの収量になりました。

開花期の天候に影響を受けたのか、
早い時期の米ほど収量があったとか。
これでは政府発表のとおり、米は豊作のようです。

白南風の光葉の野薔薇過ぎにけりかはずのこゑも田にしめりつつ(北原白秋)

2008年07月13日 | 今年の納得米づくり
梅雨中に晴れ間のある状態、とくに梅雨の明ける頃の南風を
白南風(しらはえ)というそうです。
今日なんてまさにそういうお天気。

手賀沼干拓地の田んぼの上には
夏とは思えない雲が見られました。

納得米プロジェクトでは
取り残されていたコナギ等の田草を拾い集め
中干しに入りました。

そこでちょっと不思議な草?を発見。



土の中から白い細いロープのようなものが伸びています。
植物だとは思うのですが、はてさて何でしょう。

夏草を盗びとのごと憎めどもその主人より丈高くなる(与謝野晶子)

2008年06月18日 | 今年の納得米づくり
田草が稲よりも背丈が大きくなっては困ります。
納得米プロジェクトでは田草の手取り作業に入りました。

田植え後に二回、機械除草(あめんぼ号)を試み、
様子を見ていたのですが、
ちょっと覗いただけでは雑草の姿が見えないものの
田の中に入ってみると株間に少し伸びた草がみえていました。

これは機械除草の限界だろうということで
あまり大きくならないうちに手取りしてしまおう
という判断をしました。
今年はメンバーも増え、
分担すれば作業も楽だろうという期待もあります。

小さい頃に草取り作業をさせられたようなリタイア組は
さすがに根気良く作業に取り組んでいます。
現役組もがんばって

山一つ背中に重し田草取(蓼太)

2008年05月25日 | 今年の納得米づくり
午前中、雨の降る中、
納得米プロジェクトメンバーが一回目の除草作業をしました。

田植えから一週間、苗が根付いた頃を見はかり、
株間除草機「あめんぼ号」と手押し除草機を走らせました。
すでにコナギらしき雑草が発芽していて
今年も悩まされそうです。

雑誌や「除草剤を使わない稲作」仲間で紹介されている
金属チェーンを田んぼの中を引きずって
除草するという方法もどうかと検討したのですが、
今年は「あめんぼ号」を使いこなそうと
がんばるようです。

今年の苗はもうしっかりと根付いていて
順調に生育しそうです。

雨はお昼ごろに上がり、
夕方には鮮やかな夕焼けが広がっていました。

さなへ草ううる時とてさみだれの雲も山田におりたちにけり(賀茂真淵)

2008年05月13日 | 今年の納得米づくり
寒い日が続いています。
とうとうわが家では薪ストーブが再登場してしまいました。

稲を播種してひと月。
3.5葉から4葉、15,6cmになっています。

連休までは順調すぎるくらいでしたが、
ここへきて生長がとまってしまったような印象。
まあ、そんなことはないのですが
葉色は例年より薄いような気がします。
やはり日照不足の影響でしょうか。

40日育苗で5葉の成苗を目標にしてきましたが、
これまで35日くらいで20cmにも徒長し、
がまんできずに4.5葉で植えてきました。

今年はローラーをかけて徒長を抑えてみましたが、
その効果もあるのかもしれません。
ちょっとずんぐり、しっかりしているように見えるのは
ひいき目かもしれません。

天候が不安定であってもこの苗なら大丈夫でしょう。
ずーっと露地で風雨にさらされ、
ローラーまでかけられてストレスを与えられて生長しました。
温室育ちではありませんから。

この様子だと40日くらい置けそうですが、
35日目の次の日曜日に納得米づくりの田植えです。