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家族でニューヨークのイエロー・キャブに乗る

2010-03-31 01:55:22 | Weblog
タクシー・ドライバーは、の代表者。
旅が楽しくなったり、とんでもないことがおきる。
街の印象が良くなったり、悪くなったりする。

26) 家族でニューヨークのイエロー・キャブに乗る
ロス・アンジェルスから、家族旅行でニューヨークへ行く。
ニューヨークでは、ジョン・エフ・ケネディJFK空港から、
マンハッタンのホテルまでタクシーを使う。

家族旅行で、初めて行くニューヨーク。
イエロー・キャブは、どんなだろう?
ボッタクリは、あるのだろうか?

時は、1988年の冬。
犯罪が多発していた地下鉄は、
ニューヨーク市交通局によって、落書きが消された。
あわせて、車内のパトロールを強化した。
それで、地下鉄の犯罪は激減してきたころだ。

この成功は、のちに、ジュリアーニ市長によって、
ニューヨーク市警に導入され(1994年~)た。
ニューヨーク市の落書きを消すとともに、
軽犯罪の取り締まりを強化した。
それで、ニューヨークから凶悪犯罪が減っていく。
「Broken Windows(ブロークン・ウィンドウズ)理論」
の導入で、ニューヨークの治安が良くなる。

さて問題は、タクシーのイエロー・キャブだ。
家族は5人、それにたくさんの荷物だ。
家族は、妻と中学生の長男、小学生の次男と娘である。
イエロー・キャブの乗客の定員は4人
だから、どうしても2台になる。

それで、親と子の組み合わせを決めた。
1台目は、妻と中学生の長男と小学生の娘の3人。
2台目は、私と小学生の次男の2人である。

中学生の長男は、英語を話せるから、妻といっしょになって、
ホテルの名前を、ドライバーに言うことができる。
それに、長男は私よりも背が高いから、用心棒になる。
小学生の娘は、妻といっしょになりたがっている。

2台目の小学生の次男は私が守る。
しかし、次男の英語は私よりうまい。
2台目は安心である。

そして、泊るホテルを確認し合っている。
ホテルの名前と住所、電話番号を書いた紙を、
妻に渡して、
「ホテルの名前を言えば、ドライバーはわかる。
もし、わからなかったら、この紙を見せるように」
と、話した。

あとは、1台目と2台目のキャブが、
同じホテルに着いてくれることだ。
まちがって、別々のホテルに着いたら、
どうやって、連絡を取り合えばいいのだろう?
まだ携帯電話はない1988年である。


滞在しているロス・アンジェルスを、
午前の便で発っても、ニューヨーク到着は夕方になる。
飛行時間の5時間に、時差3時間を加えるから、
朝10時の便は、ニューヨーク着は夕方の6時。

JFK空港は、多くの乗降客でゴッタ返していた。
この喧騒(けんそう)はロス・アンジェルスにはない。
異様な雰囲気に、子ども3人はこわばっている。

さて、カルーセルから荷物を取り出さなければならない。
こわばっている子どもに、
「まとまって、ここから絶対に離れるな!」
「ニューヨークは、ロス・アンジェルスより危険なところだ」
「知らない人から話しかけられても、親といると言いなさい」
「もし、連れていかれそうになったら、お父さ~んと、叫びなさい」
と、言い含めて、カルーセルに荷物を取りに行く。

カルーセルの見えるところで、子ども3人は、
一か所にかたまって、つっ立っている。
こちらを見ながら、不安そうだ。

カルーセルで、荷物を拾い上げて、カートに積み上げる。
荷物を盗られないように、妻が2台のカートを見守る。
冬の陽が落ちるのは早い。
家族5人分の荷物が、出そろうころには、
ニューヨークはすっかり暗くなっていた。

家族5人と、荷物を満載した2台のカートは、
1列になって、キャブ乗り場に向かった。
JFK空港は、多くの乗降客と見送りの人、出迎えの人でいっぱいだ。

混雑を避けながら進むが、白タクの客引きが、ウロウロして、
「乗らないか?」
と、うるさいこと、うるさいこと。
「マンハッタンまでXXドルだよ」
と、ひっきりなしに声をかけてくる。
一人に断っても、つぎからつぎへとくるから、切りがない。
こうなったら、つきまとう白タクの客引きと、
目を合わせないようにして進むしかない。

これからマンハッタンのホテルまで行くのだが、
家族5人とたくさんの荷物で、キャブ2台に分乗する。
2台のキャブが、「安寿と逗子王」のように、
別々の方向に行って、生き別れ? になったら、困る。
童話では、安寿と逗子王の姉弟の乗った舟と、
母の乗った舟が引き裂かれて、親子が生き別れになる。

それに、タクシーのボッタクリには、
1台目の妻と長男、娘は、まったく慣れていない。
✇目的地とは、反対の方向へ走る、
✇メーターを倒さずに、高い料金をとる、
✇勘違いをしたふりをして、遠回りをする、
✇恫喝する、
があったら、動転するだろう?

ぶじに、同じホテルに着けるだろうか?
「安寿と逗子王」のように、生き別れにならないだろうか?

ボッタクリと、今生の生き別れ? を心配しながら、
家族5人とカート2台は、キャブ乗り場に急いだ。


自由の女神とマンハッタン。まだ、世界貿易センターがあった1988年。
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