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『いつか読書する日』(読書メモ)

『いつか読書する日』(2005年、緒方明監督)

しぶい映画だった。

美奈子(田中裕子)と槐多(カイタ)(岸部一徳)は高校時代につきあっていたのだが、美奈子の母親と槐多の父親が不倫しているときに事故死して以来、別々の生活へ。

50歳になっても、美奈子は独身で、朝早くから牛乳配達した後はスーパーのレジ打ちで働き、夜は読書する毎日(まるで苦行僧)。

槐多は、末期がんの妻・容子(仁科亜季子)を看病しながら、市役所で淡々と働いている(ロボットのよう)

しかし、言葉を交わすこともない二人が、今でも愛し合っていることが伝わってくる。はたして二人の恋はどうなるのか?というストーリー。

田中裕子と岸部一徳の地味な演技力に引き込まれた。

見どころは、二人の愛に気づいている末期がんの容子と美奈子のやりとり。

抑えきれない愛、倫理感、嫉妬がせめぎ合う。

ラストはもうちょっと工夫してほしかったが、悪くはなかった。
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