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『さよならクリームソーダ』(読書メモ)

額賀澪『さよならクリームソーダ』文春文庫

『拝啓、本が売れません』の著者である額賀澪さんの小説を読んでみた(本人おすすめ)。

没入感が得られる小説が少ない中、グッと物語に引き込まれた

美大に入学した友親(男性)が、先輩である若菜(男性)と仲良くなる。さばさばして明るい若菜だが、徐々に彼の暗い過去が明らかになる、というストーリー。

生と死の問題を扱った、緊迫のラストパートが良い。

「若菜さん…あんたは、ぶっ壊れてる。恋人を失ってから、ずっとぶっ壊れてるんだ。だから、ぶっ壊れたまま生きていくんだ。この世界は、壊れていない人間しか生きられないわけじゃなない。ぶっ壊れたまま生きていたっていいはずなんだ」(p. 343)

というセリフが刺さった。

人間、どこか故障していても、だましだまし生きていくことが大事だな、と思った。

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