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『永すぎた春』(読書メモ)

三島由紀夫『永すぎた春』新潮文庫

三島由紀夫のコミカル物

T大学(東大)法学部の学生である郁雄は、官僚の父をもつお坊ちゃん。大学の正門前にある古本屋の娘、百子と婚約するが、「卒業まで結婚しない」という条件つきである。

卒業までに、いろいろなトラブルがあって、二人がそれを乗り越えていくという物語。

ちなみに、ゴタゴタが起きるたびに郁雄が相談に乗ってもらう相手がいる。

それは、28歳ですでに結婚している宮内という同級生である。

「二十八歳・・・・・俺の歳を考えてごらん。この歳で俺は五十の男にふさわしい経験をもっているんだが、それもこの若禿のせいさ」(p.112)

障害を乗り越えながら、郁雄と百子の絆が強くなっていくのだけれども、危ないときにアドバイスをするのが宮内なのだ。

なんでも相談できる友人の大切さがわかった。
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