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『魂の精神科訪問看護』(読書メモ)

西島暁子『魂の精神科訪問看護』幻冬舎

本書のカバー写真が厳しい表情なので、キツイ方かと思って読んだところ、とても謙虚でソフトな語り口だった。

精神科における訪問看護は効果が高いという。なぜか?

それは、患者がどのような生活をしているのか、家族がどういう人かがわかるからである。そうした生活情報から、病気の原因や対応策を練ることができるわけだ。

本書を読んで印象に残ったことは「自立をサポート」するために「関わりすぎない」という点。いつまでも支援し続けると、依存心が生まれ、患者が自立できないのだ。

これは、人材育成にも共通する重要ポイントである。

ちなみに、著者の西島さんは、病院勤務時代、仕事をし過ぎてうつ病になり、措置入院をしたことがある。その時、主治医から言われたことがその後の指針になっているという。

「主治医は私に、自分で思っているほどのキャパシティが自分にはないこと、そして自分は弱い人間であることを知るように言いました。さらになんでもイエスと言ってはいけない、自分のキャパシティの80%の力でやりなさい、などこれまで私が一度も言われたことがないようなアドバイスを次々にくれたのです」(p.66)

精神科訪問看護ステーションを経営するようになってから、自分自身に、そしてスタッフにも「80%の力でやりなさい」と伝えているらしい。

タフな仕事ほど「8割主義」でやらないと続かない、といえる。







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