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『離婚』(読書メモ)

色川武大『離婚』文春文庫

色川武大の直木賞受賞作である。

半分本当で半分はフィクションらしい。

6年の結婚生活を経て離婚した夫婦が、再び一緒に生活するようになるのだが、そのほうがしっくりくるというストーリー。

「まことに阿呆なことですが、ぼくはときどき彼女マンションを訪れて泊っていくようになりました。そうして心の中で、離婚をしたあとで同棲するというのも悪くないかもしれぬ、と考えていました。すくなくともぼくたちにはぴったり合った関係かもしれないと思いました」(p. 52)

世の中には、籍入れないけれども一緒に生活する「事実婚」を選択する人たちがいるが、法律に縛られずに共に暮らすほうがのびのびできるのかもしれない。

結婚していたときにはいがみ合っていたのに、離婚したとたんにときめいてしまう映画『ラバーズ・アゲイン』を思い出した。






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