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アンデルセンの生涯

『絵のない絵本』(アンデルセン、矢崎源九郎訳)の解説によれば、アンデルセンは貧乏な靴職人の父親と深い信仰心をもった母親のもとで育ったという。父親は幼いアンデルセンにおとぎばなしを聞かせていたらしい。

父の死後、14歳のときにコペンハーゲンに出て、俳優や声楽家を目指すも挫折する。しかし、劇場の支配人で政治家でもあったヨナス・コリンの支援で大学に行くことができた(綴りが間違いだらけだったアンデルセンは苦労したらしいが)。

こうしたアンデルセンの経歴をみると、コリンとの出会いがなければ、ただの売れない声楽家で生涯を終えていたことがわかる。

また、童話作家としての成功の裏には、両親の影響がある。やさしい両親に育てられたからこそ、やさしい物語を書くことができたのだろう。

けっして作家を目指していたわけではないアンデルセン。自分の思いよりも、親の教育と偶然の出会いが彼のキャリアを方向づけた、といえる。
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