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『日本人と日本人と日本文化』(中公文庫)の中で、司馬遼太郎さんは「禅」に触れている。

「日本人の場合は、いろんな宗教が入ってきたわけですが、日本人にいちばんうまく適合した宗教は、これもほんとうの禅とどれだけ関係があるかどうかは別として、私は禅だと思います。禅は日本人とウマが合ったという感じです。私はいまのアメリカの場合は知りませんが、日本でも直観的なところとか、煩瑣な理屈がないということがひじょうによかったんでしょうね」(p.57)

まえに、横尾忠則さんの『坐禅は心の安楽死:ぼくの坐禅修行記』を読んだときにも、日本人は禅の影響を受けていると感じた。

他力本願のはずの仏教であるが、禅だけは自力でなんとかしようとしているからだ。禅寺のお坊さんのしごきも、戦前の軍隊や体育会部活のしごきととてもよく似ている。

日本には「自分で考えろ!」「つべこべ言わずにやれ!」「屁理屈いうな!」といった風習があるような気がするが、これも禅の影響ではないだろうか。
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