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ケースメソッド授業(4)

自分の知っている事例を、経営学の理論に当てはめる演習も今回が3回目。だいぶ慣れてきたようだ。8割以上の学生が「だんだん事例を思い浮かべることができようになってきた」とコメントしている(分析シートの感想欄)。今日の理論は「業界構造分析」と「アンゾフの製品・市場マトリックス」。

世の中には儲かっている業界とがんばっているのに儲からない業界がある。そうした業界の魅力度を判断するためのツールが「業界構造分析」だ。1年生にはこの分析は難しいだろう、と思っていたが、予想に反して「面白い」「わかりやすい」という反応が多かった。この分析をすると、社会の構造のようなものが見えてくるからかもしれない。

「では、この理論に事例を当てはめてみてください」という指示があると、サラサラと書き出す学生がいる中で、「うーん」と腕を組んでなかなか分析が進まない学生もいる。事例がなかなか思い浮かばないのである。コメントの中に面白いものがあった。「困ったときのコンビニ・ケータイ業界。とても助かるが、これらの業界に頼らないのが理想」という意見。普段から新聞やテレビのビジネス情報を収集することが大切になる。

ディスカッションはスムーズにできるようになったという意見が多かった一方で、二つの壁にぶつかっているようだ。一つは、「互いの意見を発表した後に、議論を深めることができない」こと。もう一つは、「とりあえず分析してみたが、なぜこうなるのか深い理由を考えるのが難しい」ということ。これら2つの問題は互いに関係しあっていて、ワンランク上の議論をする鍵となるだろう。

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