宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

夏の風物詩

2013年08月03日 07時07分25秒 | 水虫
このところ、我が家の周囲では、連日セミの合唱です。

夏らしさを通り越して、もはや雑音です

セミが苦手な院長の独り言です・・・・・。

さて。

花火、浴衣、うちわ、風鈴、セミ・・・・・夏を連想する風物詩はいくつもありますが。
皮膚科の夏らしい代表的な病気といえば。
やはり、ミズムシを思い出す方も少なくないでしょう。
当然ながら、7月以降、ミズムシの患者さんが多いです。

ミズムシはみなさまご存じのように虫ではなくカビの感染です。
圧倒的に多いのは、足の指の間や足の裏にできる足白癬です。
足の甲にはあまりできません。
そけい部と呼ばれる股の部分にもよくでき、これは股部白癬といいます。
よく手のぶつぶつをご心配される方がいますが、手に感染することはごくまれです。

ミズムシの親戚のような病気に、カンジダやデンプウというものがあります。
カンジダはふっくらとした指の方でよく水仕事をされる方の指の間にみられます。
デンプウは、多くは若い方の胸回りや肩、背中などにみられるカビで、かゆみはなく、うすい赤や茶色のしみのようなものがでてきます。

これらのカビは、夏の蒸し暑い時期に皮膚で増殖しやすく、汗をかいたままにしたり、むれる下着や靴下などを身につけると、ひどくなります。

治療は、当然、抗真菌薬です。
最近は、さまざまな種類の抗真菌薬があり、選択の幅もふえました。
薬の相性もあるので、治りにくい場合は薬を変えるときゅうに改善する場合もあります。
また。
市販薬も増えてきたので、患者さんはいろいろと選択しやすいようです。
ただ、ちょっとだけ、ご注意
最近、市販薬にかぶれたひどくなっている患者さんが、何人か来院されました。

市販薬にかぶれて、足全体に炎症が広がっている方がいましたが。
この方は、ミズムシは治りにくいのだと思い込まれており、合わない薬をまじめに毎日塗っておられました。
また。
別の方は、市販薬をずっと半年ぬり続けており、やはりミズムシは根気が必要と思われていたようですが。
実際は、ミズムシではない別の皮膚病でした。

皆さまのご存じのように、ミズムシの治療には時間がかかり根気も必要です。
確かにこれは本当です。
でも。
合う塗り薬を塗ると、症状は1~2週間であきらかに改善します。
2週間後、確実に良くなっていることを確認してから、これを数ヶ月ぬり続けて、完治をめざすのですよ

ですから、2週間くらい塗っても良くならない場合は、治療を見直す必要があるかもしれません。

たかがミズムシ。
されどミズムシ。

いつ治すの?。
当然・・・いまでしょ
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