みどりの野原

野原の便り

4月4日 登録有形文化財「藤岡家住宅」 大失敗の朝・満足の終わり

2014年04月04日 | Weblog
今日は出発時間も遅いし朝は余裕たっぷり。
・・で家事いろいろ・・そして時計を見たら・・あっ!やばい! 遅れた!
間には合わないけれど、遅れを取り戻そうと急ぎ、電車に乗った。
・・30分は送れるなあ・・とJR高田駅へ。
そしたら次の電車は40分後! 和歌山行きは1時間に1本しかないのだった。しまった!
ホームで・電車の中で走りに走ったが・・1時間も遅れて到着。 みんなに平誤り。

頼んでくれていた案内を途中にして先ずお食事をいただく。
きれいに盛り付けられたお料理はどれもやさしい味がした。

藤岡家住宅は金剛山の下りに前を通りかかったことはあったが初めての訪問だ。

この後、館内を案内していただく。
藤岡家は江戸時代五条市近内村の庄屋で、初代長兵衛は薬種商(屋号 大坂屋)を営んでいた。他に両替商・菜種商他の記録も残っているという。 

藤岡長和氏(明治21年~昭和41年)はここで生まれ、警察署長や和歌山・佐賀・熊本などの知事などを歴任。
一方、俳号を「玉骨」といい、与謝野鉄幹・晶子・森鴎外・石川啄木・阿波野青畝など多くの文人と交流のあるホトトギス派の俳人でもあり、架けてある軸・色紙に著名な人の名があったりする。
藤岡家住宅は江戸時代の建築で、後、空家となって荒れていたのを現当主が費用を出し改修復元工事が行われ、10棟が国の登録有形文化財となり、NPO法人「うちのの館」の管理となっている。今も修理費用は出されているとか。
復元には金剛山麓という気象条件など地元の特性をよく知る地元の大工さんがあたり、表から見えない屋根裏に至るまで「元の姿に戻す」ことにこだわって復元されたとのお話も感動的だった。

お食事をいただいた大広間の廊下にはゆらめきが美しいガラス戸「こんなに大きい1枚ガラスは珍しい」 その内側に板戸があるのも珍しい。隙間の空気がクッションとなるのか30年間割れた事はないとか。


大広間の畳は中央が少し盛り上がっている。
強度を上げるために中継ぎ(イグサを真ん中で継ぐ方法)によるものだそうだ。

  
透かし彫りが投影する計算がされている欄間  なんと風雅な。

 
       1枚の板を彫刻     桐の1枚板をくりぬき、縁を黒漆で縁取った欄間


ふすまの下張りに「宗門人別帳」 反古からも数々の発見がある。    

書斎は少し高い位置にあり、部屋と部屋をつなぐ渡り廊下的な部屋。小さい階段を上る。
 
玉骨さんが使用していた文机
  右)「整理していてこの引き出しに与謝野晶子の手紙が入っているのを見つけました」「ここに座ったら○○に入学できた。なんてパワースポットになっているみたいです」
私も座ってみたからきっと良いことがあるに違いない。


北風を防ぐ2重のガラス戸越しにこの家のシンボルであり、俳号「玉骨」の名の由来(俗説)もある樹齢250年の「長兵衛梅」(紅梅)が見えた。まだ少し花を残していた。(名の由来は「太平記」の一説からと思われている)

蔵の中にあったトランクの中から痛みもなく見つかった大礼服とナポレオンハット、大礼服に身を包んだ威風堂々とした藤岡長和氏の写真もあった。
知事時代、重要な儀式の時に着用したものらしい。トランクには補修用の金糸も入っていたそうだ。
ナポレオンハットなるものを初めて間近で見た。納めておくケースもあった。

学芸員さんが内蔵の2階から降ろした資料を調べておられた。まだ未整理のものがありそうなのでお宝が発見されるかもしれない。しんどいがわくわくするお仕事だろうな。

終わったと聞いていたお雛様が今日まで展示されていてラッキーだった。
 
お雛様の掛け軸 ひな祭りといえば「桃の花」だが後ろには「梅」が描かれている。そばには「誤って桃の祝いを梅とせし」 高浜虚子の色紙がなにげに置かれているのだった。
                           右)藤岡家のお雛様

  
     屋敷内から見た薬医門       東側道路から見た薬医門
金剛山越えは大阪への最短の道で、江戸時代、このあたりは交通の要衝として賑わっていた。
薬医門は1日中開放され、ケガや病気の旅人を治療していた。
また、藤岡家は飢饉の時には米蔵を開放するなど地域のために力を尽くされたと聞き、建物が一層立派に魅力的に見えた。

他にも見どころは数々あって書ききれない。又訪れたいと思う。

 
雨も止んでいたのでこの後、近くの御霊神社へ。途中のサクラも満開。  
                 右)JR北宇智駅 
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