みどりの野原

野原の便り

8月26日 日本書紀 女官 神々の世界

2022年08月26日 | Weblog

日本書記講座

先月の講座で、
天武10年5月、行き過ぎた宮廷女官への贈り物などに対して、「今後、女官に賄賂などを贈って媚び取り入ったりすることがあれば共に罪に問う」と仰せられた。

賄賂を贈るほど権限を持っていた「女官」とはいかなるものだったのか?を検証。

「女官」とは宮廷に住む天皇に仕え、身の回りの世話などを担っていた女性の官職。
重要な役職で、学問や礼法に通じた有能な女性が多く任命されたという。

『平城宮跡から「女官」の働きぶりを記した「考課木簡」と考えられる木簡が出土したことが報じられた』というの産経新聞8月9日の記事を紹介された。
それによると、木簡には、1人の女官の『名前(牟須売)・年齢(51歳)・本籍地(左=左京)・年間勤務日数(329日)』等と記されていて、「奈良時代の女官は激務?」との見出しだった。

女官の身分や職務は養老律令の中の「後宮職員令」で規定されていた。
*内侍司(ないしのつかさ)には
 尚侍(ないしのかみ)・典侍(ないしのすけ)・掌侍(ないしのじょう)・女嬬(にょじゅ めのわらわ)
*その他、蔵司・書司・みかどの司・水司・膳司・縫司・・
などたくさんの役所役職があり、合わせて300人近くの女性が宮中で働いていたという。

「女官」に抱いていたイメージとはずいぶん違う大変なお仕事だったようだ。

日本書記を読む続きでは・・
天武10年7月「朱雀(あかすずみ)」が現れた。赤いものは瑞兆とされたらしい。
8月、以前に百済・高句麗・新羅から帰化している人については、10年間税を免除することになっていたが、それに加えて帰化の時に連れてきた子孫についても課役をすべて免除すると詔された。
8月16日伊勢の国から白い梟をおくられた。
8月20日多彌嶋に遣わした使者が地図を奉じ、種子島の人の様子などを報告。
9月14日には多彌嶋の人々を飛鳥寺の西の河辺でもてなした。
9月には、彗星が現れたり、火星が月と重なったことなども記されている。
彗星は不吉な出来事の予兆と言われ、火星が月と重なるのは中国では兵乱が起こるといわれているらしい。

もう一人の講師からは、「神」についてのお話。
・元々自然崇拝から生まれた自然神は擬人化して人格神になったり、祖先神から人が神になることもある。
・神とは:カムガミ(照覧)・カガミ(赫見)・上・カクリミ(陰身)・・の義。
・祭神の分類:天神(天つ神)・地神(地祇・国つ神)・天皇神・皇后神・功臣神・渡来神
・天つ神と国つ神:天つ神・国つ神・天神・地祇
・神仏習合
神仏習合が始まったのは奈良時代。「習合は人の願いによって始まった。神託も人の願い」というのも面白かった。
神と仏・神と神の習合もある。田の神と大黒天・田の神と稲荷・吉祥天と弁財天・市杵島姫と弁財天・大黒天と大国主神・スサノオ命と牛頭天王・・・
同機能・類似複合・相通複合などの法則があるらしい。

神仏習合や神の習合では普段も目にしたり、戸惑ったりする。
「神の御利益も庶民のニーズに合わせて変わってくる」というのも、あるある。

女官の話、神の話、面白かったがなかなかむつかしくて、正確には書けません。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 8月25日 ヒルガオ科 アオギ... | トップ | 8月28日 大宇陀・菟田野周辺... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事