みどりの野原

野原の便り

3月22日 平群 本番 晴天がうれしい。トクサ・イシクラゲ・ケイオウザクラ・アオモジ・ヒサカキ・オガタマノキ 

2024年03月22日 | Weblog

雨続きの中休みのような晴天。何よりうれしい。
久しぶりの方、初めての参加者も。

私が初めて平群に来たのは今から20年ほど前。
桃源郷と教えてもらった花の谷を見に来た。

その後、この会で、コースを少し変えながら定点観察を10年実施。
その間、駅前は再開発ですっかり変わった。
今年は定点観察終了後、6年目。久しぶりの平群観察会。

長福寺
サクラはまだつぼみ。古木の桜に着生したセッコクも今は花時ではない。

竜田川近くのトクサを観察。


「砥ぐ草」が名の由来といわれ、ケイ酸を含み細かい凹凸のある茎は現在も茹でて乾燥させたものを工芸品の研磨などに使用されているそうだ。
姿はツクシに似て、先に胞子嚢穂をつけている。
ツクシと違うのは、胞子葉と栄養用に分かれていないこと。
爪を磨いてみた。

ホトケノザ

ホトケノザの種子 白いものはエライオソーム(種枕)アリが好む物質。
遠くへ運ばれて捨てられた種子によりホトケノザの生息域が拡大。
暖かくなって昆虫が活動するころには閉鎖花は見られなくなる。

イヌノフグリ


以前、住宅の石垣で発見して観察を続けていたがそこがなくなり、近くの畑の斜面で再発見して、花や果実を観察していたのだが・・
今年の下見の時は斜面では見つからず、斜面の下の溝のコンクリートのすき間にかろうじて小さい株を見つけた。
今日は大勢の目で斜面を探してみたが、やっぱりない。
フラサバソウとの競争に負けたのか?だんだん追いやられている感じ。

下見から約2週間、今日は小株に花が見られるかと期待したが残念ながら花は見られず。
うちの庭でもずいぶん長く居ついていたところを見ると、場所さえあれば、意外と強さもあると思うので、生きる場所を見つけて生き残ってほしい。

農道
ひとりしか通れない狭い農道は、入口付近は舗装されていたが、奥はでこぼこ道で、足元注意しながら歩く。

キジムシロやオヘビイチゴ・ナズナやタネツケバナなど、昔からある野草が多い。
そんな中、田んぼの縁にはオオカワヂシャが花を咲かせている。

ジャノヒゲの実(種子)

ジャノヒゲの実(種子)の青い皮をとると半透明の胚乳が現れる。
昼食後、ジャノヒゲの胚乳で、スーパーボール(弾み玉)遊び。
「もう少しでこぼこのないコンクリートであれば何回も弾むのに・・とやってくれた人が残念そう。

イシクラゲを観察


イシクラゲ 下見の時の雨上がりの写真 今日はお天気で乾いていた。
これは植物ではなく細菌の一種(シアノバクテリア)。
光合成と同じような仕組みを持ち水と二酸化炭素を材料として酸素を発生。
地球が誕生して陸上で生物が暮らせるようになるのはシアノバクテリアのお陰だそうだ。

農道を出て、下見で見た異形ダイコン(マタコン)を見に行く。


まだ抜かれずに残っていた。というよりも、通りかかる人に見てもらうために残してあるのかもしれない。このほかにもっといろんな形のものがあった。
原因は土や肥料などの塊、種が古いことも関係すると書いたネット記事もある。 

白山神社周辺
以前、ミズオオバコやオグルマやオギノツメが見られた休耕田はすっかり変わってしまった。


イヌガシはまだ花が残っていたが、老木になり株元はひどく傷んでいた。
あの頃は枝葉も繁り花もたくさん咲いて元気だったのに・・わが身を重ねる。

鎮守の森を上る。

ハラン
下見で見つけたつぼみはまだ咲いていなくて残念!


他にもつぼみや果実(右のもの)・小さいつぼみも見つかった。


根の出た種子も転がっていた。


オオアリドオシが多い。果実が残っているのもあった。
トゲは葉の半分以下ぐらいの長さ。大小の葉が交互に付く。

尾根道


早咲きのケイオウザクラが満開。 
切り花用に作出された園芸品種だそうだ。

アオモジ
活け花材料として栽培されたものが逸出。
芳香があり爪楊枝にもするそうだ。
以前は幼樹がたくさんあり、どれだけ増えるのかと思っていたが、落ち着いたように思う。
成長して大きくなった木。やっと1本、手が届く枝があった。


複雑な花のつくり。外側に4~5枚あるのは総苞片。
中央の1個(少し飛び出して見える)と、その周りに4~5個の花が散形に付く。
おしべは変わった形で、橙色の腺体が見える。

出荷した後の捨ててあった枝を拾った下見の時のものは雄花のようだった。


今日見たのは雌花のようだ。子房が見えた。

雌雄異株の木だが、花材にするのは、花が大きく賑やかな雄花だそうだ。

ヒサカキ
ガス臭がしてヒサカキの花が咲いているのがわかる。
雌雄異株と言っているが、実際にはヒサカキの性表現は複雑と聞いている。
みんなで雌花や雄花を観察。


中に1つの枝に雌花と両性花が混じったものも見つかった。
大きい3個の花は雄しべと雌しべが見える。
小さいのは雌花のよう。(子房があり、雄しべは見えない)

荒れた畑が目立つ。
尾根の途中の畑はオオオナモミに占領されていた。
尾根を出たところの畑も耕作されておらず、枯草に覆われていた。
そのすぐそばでは山を開拓して畑にされるよう。
新しいキク畑になっているところもある。・・ちょっと複雑な心境だ。

帰りは下り道。

 
普門院跡(福貴寺の塔頭の1つ)に、オガタマノキ 
道路から下に植えられているので花が見やすい。

ヒトツバやクロガネモチや庭に植えられたフサアカシア(?)などを見ながら下り、駅前で解散した。

コメント
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