みどりの野原

野原の便り

8月21日 万葉集 七夕 カジノキ 

2022年08月21日 | Weblog

*7月7日は旧暦の七夕。
新歴では8月4日が七夕だそう。

七夕の笹飾り、家ではしなくなったなあ・・

七夕祭りに飾る「5色の短冊」の原型は、七枚の「梶の葉」に詩歌などを書いて、織女星に手向け、芸能や恋の成就を祈る風習から。
「梶の七葉(かじのななは)と言った。

「梶の葉」は秋の季語でもあるそうだ。
ふわふわの毛の多い梶の葉は墨が良くのり、毛筆で字が書ける。
(試したことがある)

ただ、万葉集には「天の川」を詠んだ七夕の歌はあるが、「梶の木」を詠んだ歌はないそうだ。
「かじの葉を 朗詠集の しをりかな」は蕪村の俳句。

*「カジノキ」(クワ科)
雌雄異株
この辺でも時々は見るが、たいてい雄の木だ。


初めてカジノキの果実を見たのは「台湾」(2011年8月7日)


カジノキとはわかったが、果実を見たのは初めてだった。

果実は高槻でも見たことがある。2017年9月


これはカジノキの雄花序

*秋の七草を詠んだ歌。
山上憶良が詠んだ2首が有名。
「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびおり)かき数えれば 七種の花」
「萩の花 尾花葛花 なでしこの花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」
「朝貌」は諸説あるが、桔梗とされることが多い。
2首目は、五七七 五七七の6句からなる旋頭歌といわれる。

「萩の花」は秋の象徴として一番多く詠まれ、140首余りもあるそうだ。

*防人の歌

白村江の戦で大敗の後、大陸からの攻撃に備え、「防人」と「烽」の制度を置いた。
防人は岬守の意味だ。北九州の防衛にあたった。

防人は「東国の人」が選ばれた。
選ばれたといえば聞こえはいいが、大変過酷だったらしい。
任期は3年、毎年2月に兵員の3分の1が交代することになっていたが、期間延長もあったそうだ。
なぜ、東国の人が選ばれた?と疑問で、調べたら、「東北の人は屈強だから。また、その力を恐れ、力を削ごうとした」(ネット)とのこと。

万葉集巻20には防人の歌が収録されている。詠み人の出身の国、名前も記されている。
当時、防人検閲の任にあった大伴家持が収録したもの。
せっかく提出した歌の中には家持のお眼鏡にかなわず(拙劣)、選に漏れたものもあるという。

家族に離れ、大君の命を受けたことを誇りに淋しさに耐えた。

そして、任を終えて、帰国となっても、帰りは付き添いもなく、費用は自費だったとか。ひどい!
何人の人が故郷に帰れたのだろうか?

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする