7月以来の講座参加
*天平8年(736年)、新羅に派遣された公式の使節「遣新羅使」
万葉集、巻15には「遣新羅使人」の歌が納められている。
6月、難波津を出発。瀬戸内の港へ寄港・停泊しながらの船旅。
今回は周防の国「麻里布の浦」に到着したあたりから。
伊波比島(祝島)~大島の鳴門~熊毛の浦へと進む。
家で待つ妻が恋しい。無事を祈りながら待っているだろうなあ。
この景色を見せてやりたいなあ。・・
佐婆(周防)の海で嵐に遭い漂流。なすすべもなく漂う。
1晩経ってやっと順風が吹き、分間の浦(豊前)に到着。しばらく滞留。
心配しているだろう妻の夢を見る。
志賀浦(筑前)~韓亭(からとまり)で3泊
半年後には帰国予定だったが、大幅に遅れている。
夜空を見上げては、月であったなら家にいる妻のもとに行けるのに。
波が立たない日があっても妻を思わない日はない。
望郷の念・妻恋しさが募る。家で待つ奥さんも無事を祈るしかないのだ。
いつになったら新羅に到着するのやら・・いつになったら帰れるのか・・
*11月の歌は巻9の高橋虫麻呂の歌。
その中で「橿の実の ひとりか寝らむ 問はまくの 欲しき我妹が 家の知らなく」
「樫」は殻斗の中に実が一つ。そこから「一人」に係る枕詞となっているそうだ。
樫に対し、「栗」は実が3つあるので「みつぐりの」・・と、複数を表わされるという。