2024年1月15日(月)
台湾 民進政権が継続
新総統に頼氏 立法院では過半数割れ
【台北=小林拓也】13日投開票の台湾総統選で、与党・民進党の頼清徳・副総統(64)が当選しました。
頼氏は当選後の記者会見で、2期8年続いた蔡英文(さい・えいぶん)総統の路線を引き継ぐことを宣言。蔡政権は、中国大陸に強い姿勢で臨み、米国との連携を強めてきました。
中国政府は蔡氏の路線を「台湾独立」路線だと批判し、頼氏に警戒感を示していたため、中台の緊張が続くとみられます。
会見で頼氏は「中国からの軍事的威嚇に対し、台湾を守る決意がある」と強調。一方、対等を前提とした中国大陸との交流と対話を呼びかけ、「平和と共同繁栄の目標を達成したい」と述べました。
民進党本部前で頼氏の当選を祝った市民からは、「台湾の主権を守ってほしい」(40歳の女性)、「米国や日本との良い関係を維持してほしい」(34歳男性)などの期待の声が聞かれました。
投票率は71・86%で、前回2020年から3・04ポイント減。頼氏の得票は558万6019票(得票率40・05%)で、前回選挙で蔡氏が得た817万票から大幅に減りました。
同時に行われた立法院委員選(定数113)で、民進党は前回比10減の51議席にとどまり、過半数割れ。国民党が52議席で第1党になりました。頼政権の政策実行に影響が出るとみられます。
1996年に直接投票による総統選が始まって以来、同一政党が3期続けて政権を担うのは初めて。頼氏は5月20日に総統に就任します。