赤目滝門前、再生へ 観光庁事業に採択
「赤目小町」でPR 名張市
観光地の再生や高付加価値化を目指す観光庁の事業に、三重県名張市が申請した同市の赤目四十八滝門前周辺の地域計画が採択された。補助率は2分の1または3分の2で、1・2億円近くの補助金が交付される見通し。計画に参加する旅館や土産物店など10事業者が、足並みをそろえて施設のリニューアルに取り組む他、事業を機に周辺を新たに通称「赤目小町」と名付け、集客に向けたプロモーションを展開していく。
北川裕之市長が6月2日の記者会見で概要を説明した。計画では、宿泊施設を運営する3事業者と観光施設を運営する7事業者が、総事業費計約1億8500万円の施設改修を実施し、うち計約1億1700万円の国の補助を見込む。今後は各事業者が交付申請し、夏までに改修に着手。今年度中の完了を目指す。
観光施設の改修事業の一部には、閉店した店舗を復活させる取り組みも含む。同市の地域おこし協力隊員による起業も予定されているという。
赤目四十八滝の観光入込客数は1992年の延べ34万4293人をピークに減少傾向となり、2022年は延べ9万6865人と、平成以降初めて10万人を下回った。会見で北川市長は「まずは20万人まで回復したい。官民一体となって、観光地としての魅力のブラッシュアップに取り組む。ぜひ成功させたい」と意欲を語った。
この他、各地の水族館のプロデュースなどを手掛けてきた専門家を地域力創造アドバイザーとして迎え、赤目滝やオオサンショウウオのPRに取り組む事業(450万円)や、インターネット上の地図サービス「グーグルマップ」から取得するデータをAIで分析するなどして活用するDX化事業(281万円)を計画しており、6月定例議会に提出する補正予算案に費用を盛り込む。