日の丸・君が代 強制するな
大阪 弁護士の会が集会開く
日の丸・君が代強制処分条例に反対する弁護士の会(代表・辻公雄)は16日夜、大阪市北区で、橋下徹大阪府知事と「維新の会」が成立を狙う「教育 基本条例案」に反対する集いを開きました。
200人の参加者は「教育の現場に『強制』を持ちこまないでください」とのアピールを採択しました。
児玉憲夫弁護士が主催者あいさつし、「免職などの処分で教職員に『日の丸・君が代』を強制することは、憲法19条の内心・良心の自由を侵す」と指摘。「賛同者1000人を目指して活動を広める
とともに、府民と一緒に頑張りたい」とのべました。
府立高校の男性教員が「学校現場では『日の丸・君が代』が強制されています。権力が権利を奪っていく道筋とはこういうものかと実感しています」と 実態を報告。「基本的人権など憲法の理念を
教えてきたのに、卒業式でどうすればいいのか悩んでいます。府民、父母と手を携えて、条例を打ち破りたい」と語 りました。
関西学院大学の豊下楢彦教授が講演で条例案を多角的に分析。コメディアンの松元ヒロさんが政治風刺のコントを演じました。
私立学校教員の男性(42)は「条例案撤回を求めていく」と話していました。
橋下知事与党「教育基本条例案」
大阪弁護士会長が反対
声明発表
橋下徹大阪府知事率いる「大阪維新の会」が20日開会の9月府議会に提出する「教育基本条例案」について、大阪弁護士会の中本和洋会長は15日、「憲法、地方教育行政組織法に違反す
る」として制定に反対する声明を発表しました。
条例案は、6月に「維新の会」が府議会に提出して強行可決した「君が代」起立強制条例を念頭に、同一職務命令に3回連続して違反すればただちに免職とするなどの内容です。
声明は、「条例で形式的に懲戒の基準を定めることは、大阪府教育委員会の人事権と市町村教育委員会の内申権を侵害し、地方教育行政組織法に反す る」と指摘。「教職員の懲戒免職その
他の懲戒処分の決定は教育員会が裁量権を行使する」のであり、「条例で一律の処分基準を設けることは、教育委員会の裁 量権をはく奪、制限することとなる」とし、「府議会が教育行政に介入
して、教職員の懲戒の基準を定めることは、地方教育行政組織法に違反し、教育委員会を 不当な支配のもとにおくことになる」と批判しています。