スー・チー氏解放
ミャンマー
【ハノイ=面川誠】
ミャンマー軍政は13日、民主化運動の指導者アウン・サン・スー・チー氏(65)の自宅軟禁を解除して解放しました。同氏の拘束・軟禁は1989年から3回、計15年に及びました。
ロイター通信によると、スー・チー氏は自宅前に集まった1000人以上の市民の前に姿を現し、「静かにするべきときもあれば、声を上げるべきときもある。一致して行動すべきだ。それでこそ目標を達成できる」と呼び掛けました。
自宅には同氏が事実上の指導者である国民民主連盟(NLD)幹部が訪れ、今後の活動について協議に入りました。NLDは7日に行われた20年ぶりの総選挙をボイコットし、政党登録を取り消されました。
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ミャンマー:スーチーさん、対話による民主主義実現を強調
ヤンゴン市内のNLD本部前で、支持者に向けて演説するアウンサンスーチーさん(右)=2010年11月14日、ロイター
【バンコク矢野純一】ミ
ャンマー民主化運動指導者、アウンサンスーチーさん(65)は7年半ぶりの自宅軟禁解除から一夜明けた14日、支持者に向 けて演説。今後も政治活動を継続する方針を明確にする一方、軍事政権に対しては「敵意はない。最後まで話し合う」と語り、対話を通じて民主主義の実現を目 指す方針を強調した。
スーチーさんは自身が率いる民主化勢力「国民民主連盟」(NLD)のヤンゴン市内の本部前で演説。「私は自分の思い通りにするつもりはない。すべ ての民主化勢力や国民とともに、国民和解に向けて取り組む」と述べ、選挙をボイコットしたNLDから分裂して、スーチーさんの意向に反して選挙参加した 「国民民主勢力」(NDF)などとの関係修復に取り組む考えを示した。
スーチーさんは集まった5000人の支持者に「私たちが何かを手に入れたければ、恐れずに行動すべきだ」と訴えた。しかし「行動」の中身について は、「物理的な力や、大きな声で叫ぶことではない」と述べ、政権を刺激するデモなどではなく、あくまで対話によって民主化を前進させる必要性を強調した。
その後行われた記者会見でも、スーチーさんは「私が解放されたことを、政権が脅威に感じないことを望む」と発言。政権最高指導者のタンシュエ国家平和発展評議会議長に直接対話を求め、米国や欧州連合(EU)の経済制裁解除に向けて政権との協力も拒まない姿勢も示した。