柳蔭書翰

徒然なるままに、音楽関連の話題に拘らず、常ならんこの世の事々書き散らし諸兄のお耳汚しに供したく思います。

後付

2010-07-25 07:36:39 | Weblog
日曜日の新聞各紙には書評が見開きを割いて載ります、これを参考にして何冊も買ってきた口なのでその効用は十分に認めるのですが、中にはやっつけというかゴリゴリ(つまりペラペラ)の正論を並べるだけのつまらないものもあり、それがまた面白いことではあるのですが、天の邪鬼のスイッチをバチンと入れてしまうのです。人と競争するからには賢者(その業界の常識)の盲点をつくことが大切だというな内容の本の書評です。優れた経営戦略には筋のよいストーリーがある、という内容だそうです。こういうサクセスストーリー本、ケーススタディーからの遡り本は世の中にゴマンと出てます、そしてその全て(と言ってもいいでしょう)が結果からの遡り論、後付け解釈、後出しじゃんけんなら誰でも勝てるぞ論です。今から何かやろうとしている者には、勇気の鼓舞にはなりこそすれ何の具体的な役に立たぬ代物ばかりです。それを見事になぞっている評文です。サッカーの選手は皆敵味方のフォーメーションから次の展開を予想しゴールまでのストーーリーを作っていく、中でも名選手は敵が予想できなくて且つ大きな目で見ると理にかなった場所にいる(ポジジョン獲りしている)んだそうです。これが結果論の典型でしょう?そんなこといちいち考えてませんよ連中。パッと判断して人より速いスピードで抜いて行く、それだけですきっと。もちろん後からそういう質問されれば、理屈をこねる選手もいましょう(後々コーチや監督になれる人はセオリー論から滔々と話すのでしょう)。でも実際にはそんなこと考えていない。考えずにそういうプレイができる、普通に走って動いたらそういうプレイになってる、そういう人が能力優れた人なのです。理屈覚えてから、その通りに動いたのではきっと遅いんです、所詮敵わないのです。スポーツの世界と一般業界とを一緒にしたら間違います。もう一例、マブチモーターはモーターを各社の注文に合わせて作ってたのを、こちらの規格に合わせた製品作りをしてくれと逆向きの交渉して成功したことを引いています。なるほど、こういうのは参考になります、発想の転換というやつですから。「筋のよいストーリー」が初めから見えていたら世話ないんですわ。成功して初めて「筋がよかった」と評価されるわけでしょう?話の順が逆立ちしてます。結果論で喋れる商売は楽ですねぇ。野球評論家がその典型ですが、世の中の何ちゃら評論家達はみなこのレベルでしょう。結局預言者になれと言ってるようなものです。誰でもがイチローになれると無茶言ってるようなものです。違いますよね。
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