MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

第12回日本渡航医学会

2008-07-23 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
先週末は岡山で第12回日本渡航医学会学術集会が開催されました。
医療関係者でない医療通訳者が参加できる学会というのはあまり多くはないのですが、
私は「訪日外国人(インバウンド)観光客と医療通訳」という視点で、
昨年からこの学会の評議員をさせていただいています。
医療従事者と医療通訳者が同じ土俵で議論できる非常に貴重な場所であり
学術集会はいつも楽しみにしています。

初日の午前中には「訪日外国人旅行者への医療対策」をテーマに
シンポジウムが開催され、私も医療通訳者の立場で
「日本における医療通訳資源」について発言しました。
当日は国土交通省から観光政策課長も参加され、
日本の観光行政に関してご発言されたのですが、
医療面からの訪日外国人施策に関して考える上で
今後の国の動きを把握することができました。
他にもたくさんの訪日外国人観光客を治療されている東京のクリニックと
関西の公立総合病院国際外来の医師の意見を聞き、
最後に私から医療現場における通訳者の活用について意見を述べました。

訪日外国人観光客数は近年のVisit Japanキャンペーンの成果で、
目標の年間1000万人到達は目の前です。
それを今後2020年にむけて2000万人を目指すとなると、
観光インフラもまったく違った形での整備をしなければいけない。
訪れる人が倍増すれば、病気になる人も増加するし、
添乗員やガイドをつけない個人旅行も増加する。
そうしたときに医療機関を利用する人数は、
単純に「倍増」ではないことが予想されます。

訪日外国人旅行者の医療問題に焦点をしぼると、
医療通訳の活用せざるをえない状況は明らかです。

来年の日本渡航医学会の開催地は福岡です。
興味のある医療通訳者の方のご参加を歓迎します。


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