MEDINT(医療通訳研究会)便り

医療通訳の制度化を目指す医療通訳研究会(MEDINT)のコラム
~みんなで 医療通訳者を増やし、守り、育てよう!~

インプット・アウトプット

2009-06-24 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
「活動の伴わない研修は詐欺」

以前、NGOの人たちと話をしていて出た言葉です。
たしかに、活動に結びつかないのに、
多額の研修費を取り、資格を取ったけれど仕事や活動に結びつかないものは、
詐欺とまでは言わないけれど、私だったらかなりがっかりです。

だから通常は医療通訳の派遣事業や通訳業務があってはじめて
研修が成立するものだと思っています。

じゃあ、医療通訳派遣を行っていない私たちが、
どうして研修事業を中心に活動を行っているか?ということになります。
その理由について今回は書いておきたいと思います。

医療通訳は「医療通訳事業」以外にも様々な場所にすでに存在しているのです。
私は外国語での生活相談の中で医療通訳をしてきたし、
会員のAさんは病院の受付にいて、言葉ができるので外国人の患者がくるたびに通訳に借り出されます。
会員のBさんはコミュニティのお母さん的な存在で、日本語も堪能なのでいつも病院についてきて欲しいと頼まれます。
会員のCさんは学校通訳をする中で、児童やその家族の医療通訳を引き受けることがあります。
会員のDさんは子どもの頃日本に来たので、日本語ができるため家族みんなのために病院についていきます。そのときに日本の医療用語がわからなくて困ることがあります。

このように10人いれば10人の様々な形での医療通訳が存在するのです。
それらはボランティアであったり、副業であったり、
家族や友人のための通訳かもしれません。
でも、命に関わる通訳をしているのであれば、中途半端は許されません。
いつも私たちは勉強不足であることに不安を抱いているのです。
良心的に医療通訳をやろうと思えば思うほど、研修は不可欠です。
自分で学ぶ方法もありますが、やはり仲間がいるほうがいい。
そういうゆるい団体を作りたいと思ってこの研究会を作りました。

「医療通訳研究会」というとすぐに
「通訳派遣してください」と言われますが、
私たちは通訳派遣はできません。
なぜならそれぞれが通訳の仕事を持っているからです。
こういう通訳者の横のつながり、ユニオンのような団体があっても
いいのではないかと思います。
最近はこの輪の中に医師や看護師、薬剤師といった方が参加してくださり、
議論の幅がでてきました。
松本先生の講座でも薬の話がでてくると薬剤師の方が解説してくださいます。

こうして私たちは、少しでも完璧な医療通訳者に近づけるようにがんばっています。

コメント

いのちと生きがいプロジェクト

2009-06-08 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
またまた更新が遅くなり申し訳ありませんでした。

5月末は助成金申請が多く、書き直しも含めて申請書作成と格闘しております。
今までのMEDINTの理念や活動をまとめて、
これからやりたいことを紡ぎ出すという意味では、
助成金申請はとても役に立つのですが、
大切なお金をいただくので、とても神経を使います。

5月28日には兵庫県の「いのちと生きがいプロジェクト」の
プレセンテーション会に参加してきました。
いのちと生きがいプロジェクトは
「命を大切に考える」「ターミナルケア」「生きることの尊厳」といった
いのちに関わるテーマに関する研究や活動に助成しています。

2006年度に一度「終末期医療における医療通訳」に関する研究に
助成いただき、通訳者の方々の
HIV/AIDS患者の看取りや死亡事故現場での被害者家族のケア、
がん患者の通訳に関するインタビューをまとめました。
それらの話はとても重く、同じ通訳者として話を聞くことはつらい作業でした。

医療通訳者が終末期のケアで孤立しないようにするためには、
医療現場のスタッフの方に私たちの味方、つまり外国人医療に興味をもって
取り組んでくれる人を一人でも増やしていく必要があります。
今回は外国人の終末期医療におけるケアに重要な医療文化的背景について
看護師をはじめとする医療従事者や病院スタッフを対象とした、
異文化理解のためのシンポジウムを開催します。
シンポジストはコーディネーター以外はすべて当事者である外国人です。

終末期のケアについての話をするのは、楽しいことではありませんが、
死は誰にでも訪れます。
できれだけ温かく見取ることができるように、当事者の方々から学ぼうと思います。

プロジェクト選考会では、選考委員の先生方に温かいお言葉と励ましをいただき、
シンポジウム後のプロシーディング作成予算までつけていただきました。
近日中に詳細を皆さんにお伝えすることができると思います。
お楽しみに!
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