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初版が売り切れて書店で品切れになっていた「医療通訳入門」の増刷ができました。
今お取り寄せいただくと“第2版”をお届けできる体制になっています。
医療通訳入門をまだご覧でない方は是非この機会にどうぞ。
******************************************************
さて、標題の「ひとりでも100人でも」のお話です。
医療通訳の制度化に向けての活動をしていると
特に行政の方から「費用対効果」の話をされます。
集住地区なら具体的に1日に100人の患者が見込まれて
1名の通訳者を配置することの根拠になります。
100人の日本語のできない患者さんがいるとしたら
医療現場の混乱は予想されるでしょうし、
1人もしくは数名の通訳者が病院に配置されることで
患者さんへのサービスも向上します。
比較的、同意を得やすい施策ですし、議会も通りやすいし、予算もつきやすいでしょう。
そんなとき、2006年の移住連札幌大会で出会った
A市の通訳さんのことを思い出しました。
当時、A市には中国人は100人くらいしかいませんでした。
100人しかいないし、留学生や研修生など比較的若い人が多いので、
病院に通訳が必要であるということがなかなか理解してもらえない。
もちろん、常時通訳を配置するだけの件数は見込めません。
でも、出産や重い病気になったとき、精神疾患になったとき本当に大変です。
彼女はそんな同胞のためにいつも一人で走り回っていました。
実はそういう地域が一番困っているのだと痛感します。
ひとりでも困っている患者は患者です。
その人がたったひとりでその地域で暮らしていたとしても
病気になるのは、たくさん住んでいる地域の人と同じです。
もちろん、日本社会の中で暮らしているので、
この患者さんを助けてくれる人たちもいるとは思います。
でも、そのひとが医療通訳をするほどの日本語力や外国語力がなかったら?
その人に言いたくないプライベートな内容の病気だったら?
そもそも助けてくれる人などいない地域だったら?
病気になるということは元気な時よりも弱気になるし心細い。
自分の身体のことだからちゃんと理解しておきたい。
外国人が少ない地域で医療通訳を制度化するためには
件数が少ないということを考慮する必要があります。
電話通訳やTV電話の導入なども検討しなければならないし、
市町村単位でなく、都道府県、もしくは広域連合で考えてもいいかもしれません。
そして、なによりも医療者の方々に外国人医療について
理解をしてもらうことが大切です。
外国人患者の味方を地域にたくさん作ることです。
当たり前のことだけど、
ひとりでも100人でも患者は患者。
ひとりの患者に目を向けなければ100人の患者は見えないと思います。
難しいけれど、散在(点在)地区の皆さん頑張りましょう。
初版が売り切れて書店で品切れになっていた「医療通訳入門」の増刷ができました。
今お取り寄せいただくと“第2版”をお届けできる体制になっています。
医療通訳入門をまだご覧でない方は是非この機会にどうぞ。
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さて、標題の「ひとりでも100人でも」のお話です。
医療通訳の制度化に向けての活動をしていると
特に行政の方から「費用対効果」の話をされます。
集住地区なら具体的に1日に100人の患者が見込まれて
1名の通訳者を配置することの根拠になります。
100人の日本語のできない患者さんがいるとしたら
医療現場の混乱は予想されるでしょうし、
1人もしくは数名の通訳者が病院に配置されることで
患者さんへのサービスも向上します。
比較的、同意を得やすい施策ですし、議会も通りやすいし、予算もつきやすいでしょう。
そんなとき、2006年の移住連札幌大会で出会った
A市の通訳さんのことを思い出しました。
当時、A市には中国人は100人くらいしかいませんでした。
100人しかいないし、留学生や研修生など比較的若い人が多いので、
病院に通訳が必要であるということがなかなか理解してもらえない。
もちろん、常時通訳を配置するだけの件数は見込めません。
でも、出産や重い病気になったとき、精神疾患になったとき本当に大変です。
彼女はそんな同胞のためにいつも一人で走り回っていました。
実はそういう地域が一番困っているのだと痛感します。
ひとりでも困っている患者は患者です。
その人がたったひとりでその地域で暮らしていたとしても
病気になるのは、たくさん住んでいる地域の人と同じです。
もちろん、日本社会の中で暮らしているので、
この患者さんを助けてくれる人たちもいるとは思います。
でも、そのひとが医療通訳をするほどの日本語力や外国語力がなかったら?
その人に言いたくないプライベートな内容の病気だったら?
そもそも助けてくれる人などいない地域だったら?
病気になるということは元気な時よりも弱気になるし心細い。
自分の身体のことだからちゃんと理解しておきたい。
外国人が少ない地域で医療通訳を制度化するためには
件数が少ないということを考慮する必要があります。
電話通訳やTV電話の導入なども検討しなければならないし、
市町村単位でなく、都道府県、もしくは広域連合で考えてもいいかもしれません。
そして、なによりも医療者の方々に外国人医療について
理解をしてもらうことが大切です。
外国人患者の味方を地域にたくさん作ることです。
当たり前のことだけど、
ひとりでも100人でも患者は患者。
ひとりの患者に目を向けなければ100人の患者は見えないと思います。
難しいけれど、散在(点在)地区の皆さん頑張りましょう。