MEDINT(医療通訳研究会)便り

医療通訳の制度化を目指す医療通訳研究会(MEDINT)のコラム
~みんなで 医療通訳者を増やし、守り、育てよう!~

ユーザートレーニング

2004-10-30 15:27:27 | 通訳者のつぶやき
あなたは、通訳者を使って外国人とコミュニケートした経験がありますか?映画の吹き替えやインタビューの字幕を見る機会はあっても、日常生活の中で通訳を使う経験をすることは少ないのではないでしょうか。違う言語を話す人同士が意思疎通を図る場合には、通訳の存在が不可欠です。しかし、学校で通訳の使い方を教えてもらった経験のある方はほとんどいないでしょう。新しい道具を使うとき説明書や教習が必要なように、通訳を使うユーザーにもある程度の訓練が必要だということはあまり知られていません。今まで出会った中でユーザーの中でこういうユーザーは困るなあ・・・と言う人をあげてみましょう。

1:ワンフレーズが異常に長い人。

2:否定文が多いひと~二重否定や三重否定をする人。

3:主語を適当にごまかす人。

4:言葉の最後が知りつぼみになってわからない人。声が聞き取りにくい人。

5:相手を見ずに、ひたすら通訳に向かって話しかける人

こういう人はいくら通訳が優秀でも誤訳になったり、何度も確認しなければいけなくなって時間がかかってしまうことがあります。だから、通訳を使うユーザーは、正確な言語置き換えをしやすい明瞭な言葉で話す必要があります。
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イルハン選手の帰国

2004-10-24 15:26:37 | 通訳者のつぶやき
2002年のワールドカップで一躍有名になった「トルコの王子様」イルハン選手。今年の新しく生まれ変わった楽天ヴィッセルに入団した後、ドイツに勝手に治療に行ったとか、帰国してしまったとか色々な噂が聞こえてきて、結局退団してしまったのは記憶に新しいところです。今年の春のヴィッセルファンの集いでは、すっかり他の選手たちとも打ち解けていたイルハン選手を見て、今年のヴィッセルはやってくれるぞと期待していたのですが、見事に裏切られた気持ちで一杯でした。

そのイルハン選手が、先月発売されたVS(バーサス)というスポーツインタビュー雑誌で、その退団と帰国の理由について話していました。読まれた方もいらっしゃると思います。その理由のひとつが、トルコ語の医療通訳がいなかったということでした。一流スポーツ選手なら、通訳を手配するくらい簡単だろうと思います。また、球団側も専属通訳をつけていたはずです。憶測に過ぎませんが、その理由について考えてみたいと思います。まずは、スポーツ選手などにつくエンターテイメント通訳は医療通訳とは根本的に違うこと。同じ通訳ですから基本的なところは同じでしょうが、専門的なことになってくると、やはりパーフェクトとはいえなくなります。ましてや、私の聞き間違いかもしれませんが、ファンの集いの時に彼についていたのは、ドイツ語の通訳だったのではないかということです。ドイツでの活動が長いイルハン選手がドイツ語でOKというのは理解できます。ただ、細かいところがどうなんだろうという不安もあります。

あるハリウッドの俳優さんが兵庫県でロケをしたときに、受け入れ側が、まず英語の話せて往診してくれる医療機関の確保につとめたのは有名な話です。

私たちの周りに様々な日本語母語でない外国人の人たちが住んでいます。また、観光や仕事や国際試合などで地域を訪れます。そうした人たちに安心した母語での医療を提供できれば、日本はもっとたくさんの人たちが訪れてくれる国になるのではないでしょうか。
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病院を選ぶ権利

2004-10-15 15:25:03 | 通訳者のつぶやき
外国人の患者さんは、どのように病院を選ぶのでしょうか。

言葉のできる医師のいる病院を選ぶ人が多いことは確かです。しかし、相談員として相談を受ける中で、それが患者さんの希望のすべてではないことが見えてきます。自宅から近いことも大切な条件です。その他にも、最新のガン治療ができる病院とか、腹腔鏡での手術ができる医師のいる病院とか、乳房温存手術してくれる病院などの治療に関するものから、ホスピスとか、助産制度が使える病院とか、医療費の分割払いを受け付けてくれそうな病院、夜間診療のあるクリニックまで、100人の患者さんがいれば、100通りの希望があります。また、日本の医療に対する期待が大きく、母国では治らないが、日本でなら簡単に直すことができるだろうと信じている人も少なくないことも事実です。日本人に比べて大学病院を選ぶ方が多いのも最新医療に期待する気持ちの現われかと思います。

結局、相談員には特定の病院を推薦することはできません。HPや電話帳などで情報提供して、ご本人に決めてもらうことになります。

基幹病院に通訳ステーションを設置して、通訳の必要な外国人の患者さんはその病院に行くというのが一番よいとよくいわれます。しかし、それは患者さんの「病院を選ぶ権利」を阻害するのではないでしょうか。前述のとおり、患者さんの希望はいろいろです。一度、外国人に優しいという病院に同行したことがありました。たしかにとても快適でしたが、検査機器が古すぎて、検査に対する苦痛を訴えていました。患者さんの多くは、日本人から見て評判のいい病院を教えて欲しいというのが、本音なのです。その上で、母語での医療を受けられるというのがベストであるならば、患者さんが自分で選んだ病院に通訳を派遣するという形が、ある意味理想的だといえるでしょう。
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