MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

食べるということ

2017-03-23 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
今週末、病院でリクエストメニューが出されると言われました。

ほとんど食べられない状態の患者でも
好物は食べたいし、口に運びたいと思うもの。
そして、何であっても少しでも口から食べてくれるのは
家族にとっても大きな喜びです。

いままでの人たちがリクエストしたメニューが
写真で一覧表になっています。
好物って人によって違うんだなあと思いながら、
親子丼からお好み焼き、あんみつまで、
人が選んだメニューを見ながら
どんな思いで選んだかに思いをはせます。

何よりもとても面倒で時間がかかる仕事であるにもかかわらず
こうした試みを考えてくださる医療者の方の
温かい気持ちがとてもうれしいと思うのです。

南米の患者さんなら何を選ぶかな。
それは日本では手に入らないものかもしれないな。
そうしたら食べさせてあげられないのかな。
群馬や静岡に行けば、食材は手に入るかな。
通訳に聞いてもらえば、食材の通販も知っているはずです。
そして、異国で病に倒れることの切なさを感じます。

そういえば、
ポルトガル語の通訳者が
患者の病室にブラジルレストランの
お弁当を持ち込んだことがあるという話を聞きました。
脂っこくてカロリーが高そうに思うかもしれませんが、
彼らにとっては子どものころから親しんだお母さんの味に
近いものなのでしょう。
そうした気持ちがわかるのは
通訳者自身もそう感じているからだと思います。

栄養の通訳が難しいのは
食べ物は「変える事のできない文化」のひとつだから。

点滴で生きることはできるけれど
食べることには生き様や思い出も詰まっている。
あまり意識せずに食べているけれど
食べることってすごいなあとあらためて考えています。
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車椅子が2台

2017-03-06 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
先日、介護保険の車椅子が納車されました。

まだ介護認定結果がでていないので
前倒しでの利用ですが、
価格は1割なら500円/月です。
軽くてきれいで快適な車椅子です。

こんなに快適なら自宅でも使いたいなと思って
自宅で使うためにタイヤカバーみたいなものは
ないですかと業者の方に質問しました。
もちろん、カバーもあるのですが、
介護保険では車椅子は2台までレンタルできるようになっているとのこと。

業者の方の説明では、
介護保険がはじまった当初は1台しかだめだったそうです。
けれど外と中で同じ車椅子を使うのには限界があります。
仕方なく、もう一台を自分で購入する人たちもいたそうです。
同時に、いろんな地域で二台までつかえるように署名をしたり
陳情をする人たちがいて、
現在の二台までが実現したとのことでした。

制度は黙っていては変わらない。
先人が変える努力をしてくれて
いまの二台つかえる便利な状況を
後からつかえるものが享受することができています。
制度に声をあげてくれた人たちの努力のお陰です。
本当にありがたいことだと思いました。

今の日本社会の快適な部分は
こうした人たちの力が結実したものであることを
私たちは時々忘れそうになります。
当たり前のサービスや制度も黙っていてはでてきません。

医療通訳も黙っていては制度化は実現しません。
2020年に向けて、いろんな声が聞こえます。
混沌とした状況であればこそ、
しっかりと目標を見据えなければいけないと思います。

二台目の車椅子のように
医療通訳がいつか、当たり前の世の中になるように。

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