MEDINT(医療通訳研究会)便り

医療通訳の制度化を目指す医療通訳研究会(MEDINT)のコラム
~みんなで 医療通訳者を増やし、守り、育てよう!~

ふたつの未来像

2017-06-12 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
今年は地方都市の医療通訳者研修に出かける機会が多いです。

そこで医療通訳だけでなく、コミュニティ通訳の方々に出会うのですが、
まだまだボランティアの人たちが心意気で支えている地域がほとんどです。

私はそのことについては、特別に悪いとは思っていません。
ただ、ボランティアの人々の善意に頼っていると
その人たちがボランティアできなくなったときに
通訳者がいなくなってしまうのだということも理解しておかなくてはいけない。
そして、医療通訳を社会資源というなら、
やはり日本社会における持続可能性(Sustainability)を
常に考えておかなくてはいけないと思います。

私はあまり東京にいかないので、
中央で議論されていることはほとんど知りません。

ただ、最近感じるのは
医療通訳をするひとにふたつの方向性があるなあと感じるのです。

ひとつは医療通訳をビジネスチャンスとして考える人。
「お金になりますか」
「この研修や資格をとれば仕事をもらえますか」
間違ってはいません。
医療通訳をビジネスと考えるのであれば
より報酬のよい仕事をとるために技術を提供することは
正しい考え方でしょう。

でも、片方で
「患者がいるのに通訳がいなくて医療を受けられない」
「自分も大変だけど、病院も患者もがんばっているから力になりたい」
という人たちもいるのです。
医療を権利だと考えるのであれば
言葉の問題で医療を受けられない人がいることは大きな問題です。
医療そのものを考えて、自分のできることで助けたいと考えるのもまた正しいのです。

もし、医療チームの一員として活動するならば
医療通訳はビジネスのみであってはならないと思います。、
その前に医療職の人たちのほとんどは
まず「患者」に目を向けているはずです。
勉強を積み重ね、少しでもよい医療をするために
日夜がんばっていると思います。

「医は仁術(じんじゅつ)」という言葉がありますが、
医療通訳者はその仕事に対して高い志を医療者と共有できるようでありたいと感じます。
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2 コメント

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医療は・・・・ (Shin)
2017-06-19 20:46:40
こんばんは。
久しぶりになんか書いてるかも!と思って見に来ました。
先日の講義でも、「医療者の文化圏」「通訳者の文化圏」の違いを感じるエピソードをお話しました。

文化圏の違いはとても感じます。命優先の地獄の沙汰もカネ次第とは無縁の日本の医療制度には、「金」の概念がやや乏しいので、ビジネスライクは受け入れられないというか、そういうシステムかな?と。ただ、ボランティアの強要もある世界なので、やはり職業人としてのプロ度が一番大事かもしれません。当たり前ですが、一度受けた仕事はキャンセルしない責任感であるとか、無断で来ないとか。こういうのが守れないと、厳しい世界です。
SHIN様 (MEDINT)
2017-06-20 09:43:47
研修お疲れ様でした。

私も医療職と通訳者の文化の違いについては
感じています。

医療通訳者には志があった上で
職業人としてのプロ意識が必要です。
ボランティアといわれてきた時間が長いだけに
そこに甘えがでていることも感じます。
だからこそ、
医療通訳者は専門職化しなければいけないと思います。

10年ほど前にボランティアの方が
私達はこのレベルの通訳しかできないから無償でいいと言ったとき背筋が寒くなりました。
それならば診察室の中に入ってはいけない。
ボラ=無償の図式がどちらサイドにもあることは問題です。
そのための専門職化でもあります。

今回の移住連では
医療者の思考で医療通訳を読み解くことをテーマにしました。
医療現場にふさわしい医療通訳についても
視点を変えていく必要がありますね。

これからもお互いがんばりましょう。

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