MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

医療通訳者も当事者です

2015-10-27 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
今年になってから医療通訳に関する議論が、
すごいスピードで進んでいる気がします。

もしかしたら今までが、
あまりにも放置されてきたからそう感じるのかもしれません。

2020年の東京オリンピック、訪日外国人が9月末で1400万人超えと
景気のいい話がたくさん聞こえてきて、
急に外国人患者が増えた、もしくは増えるような空気になっているようですが、
もともと日本には200万人超の在日外国人の人たちの医療があります。
その人たちの医療はどこへいったのでしょうか。

今動いている外国人医療・医療通訳が
私の地域の外国人医療と全然違う次元の議論にならないように危惧しています。

医療通訳者はよく外国人の「ために」がんばっているといわれますが、
少なくとも私は違います。
医療通訳らしきものをやってきて、
このままではいけないと自分に強い危機感を持っているし、
外国人患者がお金や言葉の問題で受診できないという現状が個人的に許せない。
だから、私も当事者の一人として声をあげていくのだと思っています。

医療通訳者も当事者意識を持たなければ、
これからできる医療通訳システムは私たちには受け入れられない
絵に書いた餅になってしまいます。
システムはできた・・・・で、誰がやるの?とならないように。

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17日多文化医療サービス研究会(RASC)のコーディネーター研修に参加しました。
代表の西村さんの研修技法を公開してくださり、
ものすごく贅沢な講座内容でした。
7月に発行された澤田先生監修のテキストの使い方もよくわかりました。

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19日から神戸市のコミュニティラジオ FMわぃわぃさんで
「医療通訳ラジオ講座」がはじまりました。

患者と医療従事者の間に立ちはだかる、ことばの壁、文化の壁、
こころの壁を乗り越えるお手伝いをする医療通訳をテーマにした番組で、
現役の医療通訳者、医療機関側担当者、通訳コーディネーターなど多様な立場から、
豊富な事例とともに心構えや勉強方法、医療通訳をめぐる現状と展望などを語っています。

私の回も11月末からオンエアになります。
インターネットでも聞けますので
日本全国、海外からでも大丈夫。

そういえば、医療通訳に関する書籍や論文は少しずつ増えていますが、
映像や音源での医療通訳資料はまだまだ少ないですね。
広く知ってもらうためには、映像や音源による周知活動は貴重です。
これからの試みに期待したいと思います。

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10月17日のJICA理事長表彰の授賞式の模様がアップされています。
こちらもよかったらどうぞ
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第11回JICA理事長表彰

2015-10-20 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
今年は協力隊50周年。

私事ですが、協力隊OBの国内活動(医療通訳)に対して、
第11回JICA理事長賞の専門家/ボランティア部門
受賞しました。

授賞式は10月16日(金)JICA市ヶ谷で行われました。
(個人での撮影はNGだったので写真はありません。
後日JICAのHPに掲載される予定だそうです。)

青年海外協力隊員は
アジア、アフリカ、中南米などの発展途上国で活動し
日本に帰国します。

私もパラグアイでスペイン語を3年間使って
日本に帰国しました。

彼らは個人差はありますが、英語以外の現地の言葉を学んでいる場合が少なくありません。
中にはネパール語やベトナム語、ルーマニア語、アラビア語などの
日本人学習者の少ない言語を学びます。
そうした人材は外国人支援の医療通訳現場などには貴重な人材です。

協力隊の2年間を2年間で終わらせないというのが、
最近の動きなのですが、
帰国すると生活があるために、現地で学んだ言葉や経験を
活かす機会があまりないことも事実なのです。

特に、医療に関する活動をしてきた人材と
医療通訳、外国人医療の現場とを橋渡しする仕組みが
今後必要だと思います。

今回の受賞は
私個人の業績に対するものではなく、
これまでとこれからの海外ボランティアOBが
日本国内でも社会還元できるような機会を
増やしたいというJICAの期待が含まれていると理解しています。

医療通訳の活動をしていると
「私も協力隊だった」とか
「調整員で○○に行っていた」といってくださる方がいます。
とてもうれしいですね。

こうした経験を日本社会の中で
活かせる方法をもっと考えていかなければと思っています。
皆さん、これからもがんばりましょう。



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ずいぶんご無沙汰しました

2015-10-13 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
最終更新が8月31日で、
ほぼ小学生の夏休みくらいの期間をブログ更新なく過ごしました。
大変ご無沙汰してすみません。

いつもは田舎でのんびりしたテンポで過ごしているのですが、
今年は珍しく少し忙しい日が続きました。
ゆっくりしようと9月に玉川温泉と不老ふ死温泉で夏休みして
帰ってきたらまたバタバタとめまぐるしい日が続き
「ふぎゃ~」といっている間に40日が過ぎてしまいました。

その間、ブログの更新もしていませんが、
日記をかけていないし、じっくりと本も読めていません。
その間になんとヤクルトスワローズがセ・リーグ優勝してしまいました!

やっと涼しくなって、頭の中も整理されてきたので、
またブログを再開します。
これからもよろしくお願いします。

まず、お知らせがあります。

医療通訳入門から8年、
やっと第2弾がでます。

「実践医療通訳」


はじめて編集をさせていただきましたが、
いままで共同執筆ばかりでしたので、
本を出すのって本当に大変だなあと痛感しました。

「松柏社のM社長がいらっしゃらなければ
本は完成していなかったと思います。」

・・という後書きをよく目にするのですが、
これは本当なのだと言うことがよくわかりました。
出版社の方に助けていただいてやっと出版できました。

作者は私が好きな人(恋愛感情ではなく、
医療通訳への思いが同じという意味です)ばかり選んで原
稿をおねがいできたので、
本当に私にとっては夢のような本です。

皆さんにも副読本として是非
マーカーをひきながら読んでいただきたいと思います。


特に通訳者の皆さんには語りかけるように書かれています。
是非、地元の図書館に注文してください!!

よろしくお願いします。



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