MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

PARAGUAY MINI FESTIVAL IN KOBE

2009-11-25 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
先日22日の日曜日
海外移住と文化の交流センター
PARAGUAYのお祭りが開催されました。
主催はひょうごパラグアイ人会で、
神戸の収容所からパラグアイへ旅立った人たちや
協力隊のOV、パラグアイのアルパやマテ茶が好きな人、
パラグアイ人の家族やお友達などが
日本全国から集まりました。

美味しいパラグアイ料理に舌鼓を打ちながら
美しいアルパの音色に酔いしれ、
伝統のパラグアイダンスを堪能した3時間でした。

私は司会者としてお手伝いさせてもらったのですが、
料理や音楽、文化だけでなく
パラグアイ移住の歴史と
パラグアイ日系人の方々のパラグアイの大地のようなおおらか人柄に
久しぶりに再会することができてとてもよかったです。

いつもは相談員・通訳という職業的立場上
外国人との個人的な付き合いは避けるようにしています。
でもパラグアイの日系の人たちは日本語も堪能なので
私のクライアントになることはほとんどありません。
また、パラグアイの小さなスーパーやcalle(街角)の話で盛り上がるという
そのとてもローカルな話題がうれしいですし、
スペイン語・日本語交じりで話が通じることも本当に楽しかったです。

久しぶりに素の南米好きに戻った一日でした。

次の日からはまた仕事と通訳の日々。
でも、頑張ろうと思います。
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医療通訳以前

2009-11-18 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
シンポジウムが終わって、
少しMEDINTの活動がトーンダウンしている?

そのつもりはないのですが、
とにかく医療通訳以前の仕事が多くて、
「医療の前に生活を」という状況が続いています。

相談員・通訳者同士もバーンアウトしてひとり欠けると
受け持つ相談が増え、自分たちの首を絞めます。
少しでも皆で持ちこたえられるように、
お互いに情報交換をしたり励ましあったりしています。
といっても暗~い情報交換ばかりなのですが。
そして最後は身体を大切にしましょうといたわり合います(笑)。

とにかくお金はいいから病院に行って!!と叫ぶこともありますし、
保険は後で何とかするから薬もらって!!と言うこともあります。
そして患者と一緒に何とかしなければいけない。
医療の通訳の質以前の状況に通訳者は疲弊しています。

最近、医療通訳の制度化は
現場の人間がやらないほうがいいんじゃないかと思うこともあるんです。
現場の人間はまず患者ありきの考え方をする。
だからなかなか線を引いたり、あきらめたりすることができないのです。
本音では支援者か通訳かを選べといわれたら支援者を選んでしまいます。

医療通訳の制度化においては、
自分自身の中の支援者の部分を隠して、
プロ通訳者としての医療通訳者の育成に言及しています。

JAMIを中心に制度化に向けての動きが進んでいることはとてもうれしいです。
制度化に向けては適材適所の人材が、動くのが理想だと思っています。

そろそろ現場に帰ってもいいでしょうか?

PS:今週からコメントを募集することにしました。
 どうぞコメントをお寄せください。
 英語・スペイン語・ポルトガル語でもOKです。
 ただ、お返事は日本語になります。
 ご了承ください。
コメント (4)
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新型インフルエンザ感染

2009-11-13 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
本来、流行には疎いほうなのですが・・・。
新型インフルエンザに感染しました。

予備知識はあったものの、
やはり高熱と倦怠感はきつかったです。

当たり前ですが、
免疫をつけるために軽く感染しておこうなんていう
楽なものではありませんよ。

一番痛感したのは、家から5分のかかりつけ医までの道の遠いこと。
発熱は日曜日だったので、
月曜朝は混むことは予想されていましたが、
やはり予想通りの1時間以上待ち。
他の患者さんへの感染予防のため待合室には入れてもらえず、
外のテントのパイプ椅子での待機では横にもなれずで、
どんなに病院へのアクセスが遠く感じたことか。
一人暮らしなら人生初めての救急車を呼んだかも。

先日生活保護受給の一人暮らし外国人の通訳の際に、
「ボクが病気になったらどうしたらいいんだ!」と訳しました。
その気持ちがわかる気がします。

今回は自分で病院にしゃべったことはほとんどなくて、
「ああ、インフルエンザの患者診療に通訳はいらないなあ」
と感じましたが、
その分家族から発熱の状況などの聞きとりをしているので、
付き添い家族への通訳の必要性を痛感しました。

そういえば外国人家庭で体温計を常備していることは少ない気がします。
日ごろから体温計を買って置くように話をしようと思いました。

また、実は自分の最近の平熱をしらなかったことが今回わかりました。
熱が下がってから自分の平熱が36度より低かったことに驚きました。
40度は体感41度だったということ(?)で。

自分がかかって学ぶことの多い病気もあります。
でも病気にかからずともきちんと勉強して想像力を働かせて
通訳をしていくのが医療通訳者というものです。

たまたま重症化しなかったからよかったものの、
これが医療通訳の勉強だといわれると、
少し神様を怨みたいと思うくらいしんどい感染でした。
皆さんはくれぐれもお気をつけくださいね。
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訳してくれない通訳

2009-11-04 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
医療通訳を頼まれるとき、
時々、すでに家族や友人が通訳として付き添っているので、
内緒で通訳して欲しいといわれることがあります。

それは、通訳(家族・友人)が患者本人の伝えたいことを
きちんと訳してくれないことに患者が困って、
でも通訳にやめられたり嫌な思いをされては今後困るので、
こっそり内緒で医師に伝えて欲しいというものです。

医療通訳は患者や医療者の言葉をすべて通訳するのが
大原則なのですが、
家族や友人が通訳をしたり、
その通訳者が医療通訳としての研修・訓練をうけていなければ、
上記のようなことが起きてしまうことがあります。
そして、それは残念ながら珍しいことではないのです。

たとえば、敬虔なカトリック教徒の人に
堕胎の通訳をお願いすると、
医師に通訳する前にやめるように諭されたとか、
民間療法を用いていることを医師に伝えようと思ったところ、
医師に怒られるから言わないほうがいいと伝えてもらえなかったと
いう話を聞いたことがあります。

医師に
「え~、今までちゃんと通訳してくれているものとばかり
思っていたんだけど」と言われる事も少なくありません。

外国人患者に通訳を使う時は、
きちんと伝わっているかどうか、
医療者側も是非関心を持ってくださいね。
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