MEDINT(医療通訳研究会)便り+

医療通訳だけでなく、広く在住外国人のコミュニケーション支援について考えていきます。

涙が枯れるまで

2016-10-31 00:00:00 | 通訳者のつぶやき
ある研修でのワークショップでのこと。

「がんの告知を受けて、泣いている患者さんにはどうするか」というテーマで話し合いました。

通訳は「泣かないで」と伝えるのかどうか。
「大丈夫だよ。私が手伝ってあげる。」といっていいのか。
ましてや「治療が決められないなら、私に任せて。」ってどうなのか。

教科書にそって皆で考えていきます。

その中で、年配の男性の方が
「泣き止むまで待つ」とおっしゃったのです。

支援者はすぐに「何とかしてあげたい」と思います。
また、「泣き止ませて前に進みたい」とも思います。
医者がいらいらしているのをみると、こちらもあせります。

でも、患者の立場からすれば
混乱する中で、考えたりましてや前に進むのはとても難しい。

相談の窓口でも
最初に面談したときに、きちんと泣いてくれた人は
次の面談から少しずつ前に進めるようになります。
だから、涙はこころを整えるのに必要なものだと思うのです。

こういうワークをしていると
参加者から教えてもらうことが少なくありません。
その男性は通訳のベテランではないかもしれませんが、
少なくとも人生のベテランだなあと思いました。
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2 コメント

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ため息も肯定 (コンソーシアムより)
2016-11-25 12:09:12
いい話ですね。
ため息も魂のリカバリーショットと聞いた事があります。
コンソーシアム様 (MEDINT)
2016-11-26 13:03:08
コメントありがとうございました。

医療通訳が外国人医療の
いいムードメーカーになれればいいと思います。
そのためには、ただ単語を訳すだけでなく、
外国人医療を広い目で見ることができる人材を
育成できればと思うのです。

おっしゃる通り、「ため息」も
言葉より多くのことを語っていることもあります。
ただ、通訳するのは難しいので、
視線の調整も大切な仕事だと考えますね。

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